テスターを手の甲にのせて、「え、かわいいかも」と一瞬ときめく。
鏡で顔全体をチェックして、「でも……今日はやめとこ」と、そっと棚に戻す。
そんな瞬間、心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
SNSでバズっている新作コスメ、ドラッグストアで見つけた限定色。
欲しい気持ちはちゃんとあるのに、レジまで連れていかない理由が、自分の中にはっきりある。
それが今のZ世代のコスメとの向き合い方なのかもしれません。
「欲しかったのに買わなかった」コスメの裏にある判断基準

一般財団法人日本ファッション協会が運営する「スタイルアリーナ」は、表参道でおしゃれなZ世代女性20人に街頭インタビューを実施。
「最近、欲しかったけれど、結局買わなかったコスメ」について聞きました。
多くの人が挙げた理由は、値段でも人気でもなく、「自分に似合うかどうか」。
Instagramで見てかわいいと思ったリップも、実際に試してみると「思ったより顔になじまない」「普段の服と合わない」と感じて購入を見送るケースが多かったようです。
商品を知ったきっかけは、SNSやオンライン発信が8人、店頭での出会いが8人、家族や友人の影響が2人という結果でした。SNSだけではなく、リアルなタッチアップや身近な人の口コミも、同じくらい大切な情報源になっています。
また、SNSきっかけの人たちも、「この商品が欲しい」から始まっているわけではありません。
「透明感がほしい」「大人っぽい雰囲気になりたい」といった“なりたいイメージ”が先にあり、その雰囲気に近づけそうなコスメを探しているようです。
SNSの「憧れ」を自分の顔でフィルターにかける
購入前に何を一番確認したいかを聞くと、20人中11人が「色・発色・自分に似合うか」と回答しました。
次いで、「肌との相性・使用感」「手持ちコスメとの違い」が続いています。
テスターを使いながら見ているのは、単純な色の好みだけではありません。
今持っているコスメと合わせやすいか、どんな服に似合うか、自分の生活にちゃんとなじむかまで考えています。
情報収集でも、「誰が紹介しているか」はかなり重要なポイントです。
フォロワー数の多さよりも、「自分と雰囲気が近い人」「肌質が似ている人」「信頼できる友達や家族」の意見を参考にしている人が目立ちました。
さらに、「買わない」と決めた後も、ただ諦めるわけではありません。
手持ちのコスメを組み合わせて理想の色を作ったり、別のアイテムで似た雰囲気を再現したりと、自分なりの工夫をしている人も多いようです。
こうして見ると、今のZ世代は「流行っているから買う」のではなく、「自分のなりたい雰囲気に合うか」をかなり冷静に考えています。
「かわいいと思ったのに、買わなかった」。
そのちょっとした迷いの時間には、自分の好きや心地よさを見極めるための、静かな選択のプロセスが詰まっているのかもしれません。
出典:一般財団法人日本ファッション協会
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000152178.html


