いつの時代も、俳優や歌手、タレントなど芸能の世界で活躍する人たちは若者にとって憧れの存在です。
現代ではYouTubeやTikTok、Instagramなどを中心に多くの人から注目を集める「インフルエンサー」という存在も、若者の日常にすっかり定着しています。
では、令和の若者たちはインフルエンサーからどれほど影響を受け、その存在を「職業」としてどう捉えているのでしょうか。
今回は若者たちのインフルエンサーに対する本音を調査しました。
芸能人vsインフルエンサー 7割超がインフルエンサーに影響されていると回答!

今回ワカモノリサーチでは全国の14歳〜20歳の若者を対象に
芸能人とインフルエンサー、どちらに影響されていますか?
というアンケート調査をしたところ、「芸能人」が26.1%、「インフルエンサー」が73.9%という結果になりました。
まずは「芸能人」を選んだ理由から見ていくと、
- 「格が違う」
- 「芸能人の方が選ばれた存在感がある」
- 「インフルエンサーは基本的に芸能人崩れだと思っているから」
といった回答が集まりました。
若者のテレビ離れが話題になる一方で、芸能人の影響力は根強く、高校生を中心に“芸能人のほうが格上”というイメージを持つ声が集まりました。
SNSを開けば誰でも発信でき、共通点や身近さを感じられるインフルエンサーとは違い、テレビや映画、音楽などの第一線で活躍する芸能人は、簡単には手の届かない存在。
その“距離”から憧れを生み、惹きつける一つの要因になっているようです。
さらに、他の理由として、
- 「信頼が絶対にある」
- 「芸能人のキラキラ具合のレベルが違うと思う」
- 「テレビにでれるくらい知名度があるので、インフルエンサーよりは信頼性があると思ったから」
という意見も集まりました。
テレビ番組やCMなどで日常的に目にする芸能人は、その知名度の高さもあって、発信する言葉や紹介する商品にも、高い信頼を寄せているようです。
同じPRでも、インフルエンサーによる発信とはまた違い、多くの人や企業が関わって作られているという“スケールの違い”が、芸能人に対する安心感や信頼につながっているのかもしれません。
一方で、全体の73.9%を占めた「インフルエンサー」を選んだ回答理由を見ていくと、
- 「テレビよりTikTokやインスタをよく見るから」
- 「最近はテレビよりもSNSの方が見るから」
- 「最近はテレビよりもスマホに触れる時間が長く、インフルエンサーを見る時間のほうが長い」
といった回答が集まりました。
かつてはテレビの放送時間に合わせて番組を見るのが当たり前の時代でしたが、スマートフォンの普及によって、自分の好きなタイミングで映像や情報に触れられる時代になりました。
そうした時代との相性が良いのが、YouTubeやTikTok、InstagramなどのSNS。
日常の中で自然と目にする機会が多いインフルエンサーが、若者たちに大きな影響を与える存在となっているのも納得できます。
また、
- 「年齢が近く、参考になりやすい人が多いから」
- 「芸能人より身近で真似しやすいから」
- 「芸能人よりも身近な視点で物事を見ていて親近感が湧くから」
といった声も挙がりました。
芸能人のような“手の届かない憧れ”とは違い、自分たちと近い年齢や感覚を持つ人が活躍しているのもインフルエンサーの特徴です。
フォローや「いいね」はもちろん、コメントやDMなどを通じて、見る側から直接アプローチできることも身近に感じる理由の一つ。
その距離の近さが、自分たちの行動にも影響を与えやすい存在となっているようです。
さらに、別の意見を見ていくと、
- 「身近に使ってるコスメなど服を紹介してくれてわかりやすい」
- 「ものを買う時にインフルエンサーのレビューを参考にしたりするので」
- 「芸能人よりインフルエンサーの方が流行りに敏感だと思うから」
- 「イマドキの情報が入ってくるから」
といった回答が集まりました。
身近さや距離の近さによって、「この人の情報なら参考にしたい」という信頼関係も生まれているようです。
放送されるまでに多くの準備が必要なテレビとは違い、SNSには話題になったものをすぐに発信できるスピード感も魅力のひとつ。
流行のコスメやファッションなど、自分たちの生活に近い最新情報をいち早く知ることができる点も、インフルエンサーが若者から支持される大きな理由となっているようです。
85%以上の若者たちがインフルエンサーは「職業」として成り立っていると回答!その理由に迫る

続いて、全国の14歳〜20歳の若者を対象に
インフルエンサーは職業として成り立っていると思いますか?
というアンケート調査をしたところ、「思う」が85.5%、「思わない」が14.5%という結果になりました。
まず「思う」と回答した85.5%の理由を見ていくと、
- 「収入を得ている以上、成り立っているとは思う」
- 「それで稼げて生活できているなら立派な職業」
- 「1本で暮らせてるなら職業だと思う」
といった声が挙がりました。
現在では、動画の広告収益や企業案件、ライブ配信など、インフルエンサーが収入を得る方法も多岐にわたっています。
会社に勤めて給料をもらうことだけが「仕事」ではないという考え方は令和の若者にも浸透しており、実際にその活動で収入を得て生活できているのであれば、一つの職業として成立しているというのも、至極真っ当な意見といえそうです。
また、別の意見として、
- 「人々に共感やわくわくを与えて世の役に立っている仕事だと思うから」
- 「インフルエンサーに救われる人もいると思うから」
- 「ちゃんと世の中に影響しているから」
といった声も多く見受けられました。
「仕事=お金を稼ぐこと」だけではないという部分にも“仕事の価値”を見いだしている若者たちがいるということも印象的でした。
人の心を動かしたり、誰かの支えになったり、社会に何らかの影響を与えたりすることも一つの仕事であるという考え方。
こうした視点を持つ若者たちがこれから社会に出て、未来を支えていくと考えると、なんとも頼もしく、心強い回答となりました。
また別の意見として、
- 「ヒカキンとかすごいから」
- 「実際にTikTokやYouTubeが収益化しているから」
- 「自分のブランドを出したら、どんなことをしたら動画がバズるかをちゃんと考えてる」
といった回答も挙がりました。
収益化の仕組みが確立されており、有名なインフルエンサーの中には動画配信を軸に大きな収入を得て、長年第一線で活躍する成功例も存在します。
何を発信すれば注目を集められるのか、自分自身を客観的に分析しながら世の中のニーズをつかみ、それを収入につなげて生活している人が実際にいる以上、インフルエンサーを一つの職業として捉えるのは、ごく自然なことなのかもしれません。
さらに、
- 「楽な事ばかりじゃないから」
- 「登録者を増やす努力をすることを仕事だと思うから」
- 「動画や写真をあげてお金を稼いでるし、撮るのも大変だから」
といった声も見受けられました。
一見、華やかに見える世界ですが、成功に至るまでの過程や努力も含めて「職業」として捉えている若者の声も多数集まりました。
成果だけで人を評価するのではなく、その過程にもきちんと価値を見いだしていることが伝わる声も多数集まりました。
一方、「インフルエンサーは職業と思わない」と回答した14.5%の理由を見ていくと、
- 「不安定そうだし、ずっと売れるのはたいへんそうだから」
- 「稼げない人の方が多いから」
- 「一部の人だけだと思う」
といった回答がありました。
人気や注目度がそのまま収入にも影響する世界だけに、安定して稼ぎ続けられる人はほんの一握り。
たとえ一度大きな成功を収めても、その人気がいつまで続くのか分からないという浮き沈みの激しさもあります。
毎月ある程度決まった収入を得られることを「職業」の条件として考える若者からすれば、インフルエンサーは職業として成り立っていないと捉えるのも、十分に納得できる意見といえそうです。
他には、
- 「遊びの延長だと思うから」
- 「仕事って感じじゃなくて趣味って感じがする」
- 「SNSで投稿するだけで仕事としては成り立つとは思わない」
という回答も寄せられました。
投稿すること自体は誰にでもできるという感覚から、「写真や動画をアップするだけで仕事と言われても…」と、少々疑問を感じているといった声もありました。
遊びや趣味でやっていることでお金を稼ぐという新しい働き方は、若者たちにとってもまだ解釈しがたい部分があるようで、「それを職業と呼んでいいの?」という、なんともリアルな声も集まりました。
さらに、
- 「ちゃんと働くべき」
- 「定年まで働けないから」
という回答もみられました。
まだ社会経験は少ないものの、将来を現実的に考えている声も見受けられました。
働き方の自由度が増し、さまざまな職業を選べる時代でも、安定した環境で長く働くことを大切にしたいと考えているようです。
不安定を指摘する声としては、
「すぐに消えるから」
といった声も。
長く続けられる職業としてインフルエンサーは難しいと感じている声もあり、将来の見通しも立てにくい。
そうしたリスクを伴う働き方を「職業」として捉えるのは現実的ではないと考えているようです。
毎日投稿するインフルエンサーを若者たちはどう見ている?

最後に、全国の14歳〜20歳の若者を対象に
SNSで毎日投稿や配信をしているインフルエンサーにどんな感情を抱きますか?
というアンケート調査を実施。
「楽しそう」「充実してそう」「幸せそう」「辛そう」「不安そう」「疲れてそう」の6つの選択肢から回答してもらったところ、「楽しそう」という回答が全体の40.0%で最も多い結果になりました。
まず、「楽しそう」と感じる理由を見ていくと、
- 「好きなことをしてお金を稼げるから」
- 「好きなことで生きているように思えるから」
- 「自分の趣味を大きく活かしてるから」
といった声が挙がりました。
自分の好きなことをしている様子は、若者たちにとってもシンプルに「楽しそう」と伝わっているようです。
好きなことでお金を稼ぐことに対して憧れを抱くのも自然な考えで、「好き」と「仕事」が同じ方向を向いていることも、インフルエンサーを「楽しそう」と感じる大きな理由になっているようです。
また、違う角度の楽しさとしては、
- 「毎日投稿などは楽しまないとできないと思うから」
- 「自分が決めた日にサボれるから」
といった、回答もありました。
「楽しまないとやってらんない!」という言葉は、どんな業種でも耳にするフレーズです。
華やかに見える世界でも大変なことも多いのだろうと感じている若者もいるようです。
また、「サボる」という少しユニークな表現から、働く時間や休むタイミングまで自分で決められることは、若者にとっては立派な“仕事の魅力”として映っているのかもしれません。
続いて多かったのが、「疲れてそう」という声で全体の23.3%という結果になりました。
その理由を見ていくと、
- 「編集から企画提案など大変そうだから」
- 「毎日投稿とかしてる人はすごい量の動画を撮っているんだなと思ったから」
- 「常にネタ探しにほんろうされてそう」
といった意見が集まりました。
企画を考え、撮影し、編集して投稿するという“産みの苦しみ”に加え、それを毎日続けていく“継続の苦しみ”も若者たちの目には映っているようです。
好きで始めたことが、反響を得るにつれて周囲から求められるものへと変わり、自分が目指す方向との間に葛藤が生まれる。
そうしたインフルエンサーの苦悩を目にする機会もあるからこそ、華やかな姿の裏側に「疲れてそう」という印象を抱く若者も多いようです。
また、違う苦悩として、
- 「いつ炎上するかわかんないから」
- 「アンチに心理状態をえぐられそうだから」
- 「誹謗中傷とか大変そうだから」
といった声も多数見受けられました。
大きな反響を得るほど、切っても切り離せなくなるのがアンチの存在です。
何気ない発言や行動が切り取られ、本人の意図とは違った方向へ広がってしまうことも珍しくありません。
批判や誹謗中傷と向き合うことはもちろん、傷ついた気持ちから立ち直ることも簡単ではなく、こうした精神的な負担を抱えながらも発信を続けるインフルエンサーの苦労は計り知れません。
また、別の意見として多かったのが、
- 「数字に囚われてそう」
- 「ずっと自己開示をし続けるのはつかれそう」
- 「いつオワコンになるか分からないから」
といった回答も集まりました。
再生数やフォロワー数など常に数字と向き合うことや、プライベートをさらけ出し、自分を演じ続けることも、疲弊につながる要因です。
またサイクルの速さはSNSの魅力である一方、発信する側にとっては自分の立場を脅かす存在にもなり得ます。
他の意見で、
- 「趣味が義務になってるから」
- 「好きなことが義務になった瞬間ただの苦痛でしかなく毎日休みがない状態で働いてるのと変わらないから」
という回答もあったように、
毎日を保ち続けることの難しさを若者たちも感じ取っているようです。
一方で、「充実してそう」と回答したのが全体の22.1%でした。
その理由をみていくと、
- 「いっぱい爆買いとかしてるイメージ」
- 「車買ったりしてる」
- 「海外旅行いってるひとおおい」
といった回答が挙がりました。
有名YouTuberが高額な商品を購入したり、豪快にお金を使ったりする企画は、今や定番コンテンツのひとつ。
いかに視聴者へインパクトを与えるかを考えた結果、普段の生活ではなかなか経験できないような、現実離れした光景が映し出されることもあります。
そうした世界を視聴者として日常的に目にしている若者たちにとってはインフルエンサーが「充実している」と捉えているのも納得できます。
また別の理由として、
- 「自分の好きなことをやっているから充実してそう」
- 「ただ踊ってるだけで金が入ってくる楽な人生だから」
- 「それだけでお金がもらえるの羨ましいから」
といった回答もありました。
好きなことを仕事にできる姿への憧れがある一方で、「それだけでお金がもらえる」という少し冷めた見方もあるようです。
同じ「充実してそう」という回答でも、その中には純粋な憧れだけでなく、羨ましさや少し皮肉の混じった感情も含まれていることが分かります。
インフルエンサーを見る若者たちの目線も、決して一方向ではないようです。
次に「幸せそう」という回答は全体の7.5%という結果になりました。
その理由をみていくと、
- 「お金を美容や食にたくさん費やせて毎日遊べそうだから」
- 「遊びを仕事にして金稼いでるから」
- 「楽にお金稼いでそうだから」
といった、ある種”冷ややかな目線”での回答が印象的でした。
キラキラした生活と自分の日常を比べれば、「好きなことをして、お金もあって、そりゃ幸せでしょう」と言いたくなる気持ちも分かります。
ここでの「幸せそう」には、純粋な憧れだけではなく、羨ましさから出てくる少し皮肉めいた「幸せそうですね」というニュアンスも含まれているようです。
さらに、“冷ややかな回答”を見ていくと、
- 「悩んでること少なそう」
- 「顔が良ければ稼げているから」
- 「自分の顔や生活に自信があるんだなって思うから」
といった声も集まりました。
ここまでくると、憧れというより少々“恨み節”にも近い回答です。
SNSで目にする華やかな容姿や生活は、見る人によっては羨ましさだけでなく、嫉妬の対象にもなります。
「悩みなんてなさそうでいいですね」と、誹謗中傷一歩手前の感情を抱かせてしまうのも、インフルエンサーという存在の宿命なのかもしれません。
続いて「辛そう」と回答したのが全体の5.4%という結果になりました。
その理由を見ていくと、
- 「炎上などを気にしなくてはならないため」
- 「人の目に晒されるのは辛い」
- 「コメントで酷いこと言われたり常にどこ歩いても監視されてるような気がするから」
といった意見が集まりました。
多くの人に知られることは大きな武器である一方、知名度によって日常生活まで人の目にさらされてしまうことがあります。
街中での何気ない行動まで注目され、ときには本人の知らないところで撮影された姿が拡散されることも。
影響力が大きくなるほどプライベートとの境界線は曖昧になり、「いつ、どこで、誰に見られているか分からない」という環境そのものが、若者たちには“辛さ”として伝わっているようです。
また、他の回答をまとめてみると、
- 「いいね数に一喜一憂するの辛そう」
- 「編集とか笑顔作ったり大変そうだから」
- 「義務化されてるように感じて可哀想」
といった意見もありました。
変動する反応や反響に毎日向き合わなければならないことを、辛いと感じる声も集まりました。
自分で選んだ職業とはいえ、反応以外にもその日の体調や心理状態を隠しながら笑顔で撮影していると考えると「可哀想だ」という気持ちになってしまうのも当然に感じます。
そういった観点から毎日活動する厳しさを若者たちは見抜いているようです。
最後に「不安そう」と回答したのが全体の1.8%という結果になりました。
その回答を見ていくと、
- 「売れなかったら辛い」
- 「いつ見られなくなるかわからない」
- 「安定していない職業だから」
といった不安の声が集まりました。
最初は楽しさが優先して始めるものの、成功するまでの道のりや競合するライバルの存在などを考えると軌道に乗るまでの時間や、そもそも成功するという保証がないというリスクは不安に直結します。
流行り廃りなどの浮き沈みも明確で毎日不安と隣り合わせの印象を持っている若者もいました。
また、他の不安要素を挙げると、
- 「まだ若いし誹謗中傷も絶えないから」
- 「アンチも増えてるのにそれを耐えながら頑張ってるから」
- 「裏で何があるか分からないから」
という意見も集まりました。
同世代としてキラキラしたインフルエンサーに影響されることはあるものの、それと同時に炎上やアンチの存在、そこから始まる誹謗中傷などの息苦しさを目撃している若者からしてみても「不安になって当然」という認識をもっているようです。
また華やかな表舞台の裏で”ドロドロした人間関係”がのちに晒されるケースも少なくなく、毎日投稿を続けることはメンタルが持たないと感じているようです。
今回の調査を通して見えてきたのは、若者たちがインフルエンサーに華やかさや憧れを感じる一方で、職業としては非常に難しい世界であることも冷静に見極めているという点です。
身近さや親しみやすさから好きになるきっかけは多いものの、距離が近いからこそ発言や行動の矛盾点にも気づかれやすく、そこから批判や炎上、さらには誹謗中傷へとつながることもあります。
職業として認めつつも、インフルエンサーならではの難しさを若者たちはしっかりと見抜いているようです。
(調査・文/ワカモノリサーチ)
調査期間 2026.7.6〜2026.7.14
調査機関 株式会社ワカモノリサーチ
調査対象 全国の14歳〜20歳の若者(男女)
有効回答数 685名
調査方法 インターネットリサーチ


