「探究のテーマを決めてください」と言われたとき、何を選びますか?
テープ、温泉、カメ、学習アプリ。一見バラバラですが、これらはすべて今年の探究コンテストで評価された中高生の研究テーマです。
学校で「総合的な探究の時間」が広がる中、「好きだから調べる」だけでなく、「社会とどうつながるか」まで考える研究が増えているようです。
過去最多9,958件が応募、社会とつながる探究へ
全国の中高生を対象とした「自由すぎる研究®EXPO2026」には、過去最多となる9,958件の応募が集まりました。
参加者はグループ応募を含め18,210人で、昨年度の8,352件・12,513人から大きく増えています。
審査には企業・大学・自治体など29団体が参加し、それぞれの視点から「金賞(称賛団体賞)」を選出。計76作品が受賞しました。
評価されているのは、研究内容の難しさだけではありません。
「身近な違和感に気づいたか」「自分なりの問いを追い続けたか」「誰かの困りごとを自分ごととして考えたか」といった、探究の過程そのものも重視されています。
学校の中だけで完結する研究ではなく、企業や地域など、実際の社会につながる学びが増えているようです。
テープ、温泉、カメ、AI…出発点は身近な「気になる」
2026年に最多3冠を獲得したのは、岡山県立倉敷天城高校2年生4人による『テープを剥がしたときの丸まりを防ぐ方法』です。
保存容器に貼ったマスキングテープの先端が丸まるという身近な不便からスタートし、その原因と防ぎ方を科学的に検証しました。
企業からは、「使う人」の立場から課題を見つけ、改善方法を考えた点が評価されています。
日常の小さな「使いにくい」が、ものづくりにつながる研究になりました。
『〜温泉から地域を沸かす〜 17歳が挑む温泉地再生のグランドデザイン』では、好きな温泉をきっかけに、地域活性化の方法を探究しています。
温泉地の事例を調べ、地域の人と交流しながら、「温泉をどう地域の未来につなげるか」を考えました。
「好きな場所」への興味が、まちづくりの研究へ発展した例です。
生き物への思いから始まったのが、『人間用心電図計を用いた 半水生ガメの非侵襲的心拍数測定 ーカメの長寿とカメの幸せー』です。
「カメを傷つけずに心拍数を測りたい」という思いから、人間用の機器を応用。飼育環境や音がカメの心拍に与える影響を調べました。
生き物が好きという気持ちが、動物福祉や科学的な研究につながっています。
また、『生まれ持った特性で取り残されない社会を作る〜音楽×AIで学習の不平等に挑む〜』では、ディスレクシアの友人をきっかけに、一人ひとりに合った学習方法を探りました。
覚えたい内容を生成AIで歌に変える学習アプリを開発し、教育現場や企業とも連携して検証しています。
友だちの困りごとから始まり、「学習の不平等」という大きな社会課題へ広がった点が高く評価されました。
テープ、温泉、カメ、AIとテーマはまったく違いますが、共通しているのは、「自分の好き」や「身近な違和感」から問いが生まれていることです。
そこに、「誰かの役に立てないか」「社会を少し良くできないか」という視点が加わることで、研究がさらに広がっています。
中高生の探究は、単なる自由研究ではなくなりつつあります。
身近な一つの疑問から、社会の仕組みや未来まで考えていく。
そんな学び方が、これからもっと当たり前になっていくのかもしれません。
自分が普段感じている「好き」や「なんでだろう」を振り返ってみると、意外なところに探究テーマの種が隠れているのではないでしょうか。
出典:株式会社トモノカイ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000005633.html


