みなさんは「流行語」を使ったことはありますか?
そして、その「流行語」に対して「もう死語だな」と感じたことはありますか?
誰もが使っている言葉だとついつい言いたくなってしまうもので、それが流行に敏感な若者であればあるほど使いたくなるはずです。
ただ、流行が去ったらどうでしょう。
誰かが使ったタイミングで「あ、それまだ言うんだ…」「てか…古くない!?」と心の中で突っ込みたくなる若者もいるのではないでしょうか。
古い言葉 1位は“ぴえん”「口に出すのがもうキツイ」高校生も

今回、ワカモノリサーチでは全国の現役高校生(男女)に、
最近“この言葉もう古いなぁ”と感じた言葉はなんですか?
というアンケートを実施。
選択式ではなく、すべて自由回答で調査をし、その結果をランキングにしたところ、第1位には「ぴえん」(12.8%)が選ばれました。
「ぴえん」とは、2018年頃から若者を中心に使われ始めた、泣いている様子や軽度の悲しみを表す擬態語。
高校生からは、
- 「流行ったのも昔だしもう誰も使っていないから」
- 「使ってるの最近聞かない」
- 「あんま使わなくなってきた」
- 「コロナくらいに流行ったやつだから」
- 「もう使ってたのが6年前くらいだから」
といった回答が多く寄せられました。
それでも流行っていた時は積極的に使用されていた言葉のようで、その分、
“最近耳にしなくいなった”
“今の会話に出てこなくなった”
という露出の少なさがダイレクトに「古い」と感じる言葉になっているようです。
また、男子高生からは
- 「聞こえ方がダサい」
- 「口に出すのはちょっとキツい」
という声もあったことから、“冗談で死語を使う”といった状態があったとしても使いづらい言葉になっているそうです。
まだ「古い」と思われて日が浅いこともあり、「今あえて口にすると、わざと感が強くてダサく聞こえる」という感覚が、「ぴえん」を1位に押し上げた理由になっているのかもしれません。
続いて、第2位には「まじ卍」(8.5%)がランクインしました。
この言葉は、2017年頃に女子中高生を中心に流行し、「やばい」「すごい」といった感情の高ぶりや物事の強調を表す意味で使われていました。
この言葉を「古い」と感じる高校生からは、
- 「もう聞かないから」
- 「なつかしいとかんじるから」
- 「最近使わないから」
と、9年前に流行った言葉ということで、使う機会が減り「古い」と感じる高校生の意見が寄せられました。
また、注目の回答だったのが、
- 「いままで使ってる人を見たことないから」
- 「昔からまじ卍って聞かない」
- 「一回も実際に言ってる人は見た覚えがない」
といった高校生からの回答。
当時はSNSやネットニュースでたびたび“若者の流行語”として話題になってはいましたが、そんな当時から使用をしていない若者もいたようです。
回答している現役高校生が小学生の時に流行った言葉というのもありますが、それでも「まじ卍」の使用経験のない高校生からの意見が目立つということは、テレビメディアや若者メディアなどが過剰に“流行している”とあおったことが原因にあるかもしれません。
第3位にランクインしたのは…なんと「チョベリグ」(6.0%)。
令和の現役高校生が生まれるはるか前の流行語がTOP3にランクインしました。
この言葉は、1990年代半ばに大流行した「超ベリーグッド(very good)」の略語。
当時人気だった雑誌「egg」のモデルや街に溢れていたコギャルが火付け役とされています。
しかし、こんな古い流行語がなぜ令和の今にランクインしているのか?
背景には、
- 平成リバイバルブーム(Y2K)
- 親の影響
この2つがあるといえそうです。
というのも高校生からは、
- 「周りで一時期はやってたけどもう聞かないから」
- 「響きが平成っぽくて古いから」
- 「古い言葉の代表格だから」
といった回答が寄せられており、
平成リバイバルブームの一種のカルチャーとして「チョベリグ」という言葉を認識していた高校生がいたようです。
1位の「ぴえん」、2位の「まじ卍」に比べ、はるか昔の言葉ということもあり、使う事への抵抗感も減り、口に出していた令和の高校生もいることもわかりました。
たた“平成に流行った言葉”という事実は変えられないため、「古い言葉」として高校生の頭の中によぎったといえそうです。
また、
- 「ママが使ってて古!とおもった」
- 「母から聞いて覚えたけどめっちゃ昔の言葉だったから」
- 「親戚が使っててなにそれってなったから」
といった回答が目立ったことから、令和の高校生の親で「チョベリグ」を今でも使っている人はいるようです。
「チョベリグ」全盛期の1990年代半ばに高校生だった若者が、仮に30歳で結婚をして子供ができたとすると、2026年現在、子供が高校生の年齢となります。
そう考えると、「お母さんの時代は…」「お父さんの時代は…」と会話する中で「チョベリグ」が出てくるのは不思議ではなく、いま調査したアンケートだからこそ「チョベリグ」が入ってくるランキングになったと言えそうです。
続いて、第4位は「チョベリバ」(5.1%)がランクイン。
1990年代半ばにコギャルの間で流行した「超ベリーバッド(Very Bad)」の略語で、「最悪」「最低」の意味があります。
こちらは、3位の「チョベリグ」と同様の意見がほとんど。
- 「平成すぎて使ってる人ほぼみない」
- 「平成を感じるので古いです」
といった、平成リバイバルブームが影響していそうな声や、
- 「普段ママが使っているからパッと出てきた」
- 「親が使う、古い!古い!古い!」
など“チョベリバ世代”の親の影響から「古い」と感じている声が中心となりました。
また、3位の「チョベリグ」にはなかった意見として注目なのが、
- 「プリキュアにでてきた」
- 「プリキュアのやつだ!」
といった高校生の声。
現在、テレビで放送中の「名探偵プリキュア!」に出てくる敵キャラ“ギャル怪盗・アルセーヌ”の口癖が「チョベリバ」で話題になったことがあり、それを知る女子高生を中心に回答がありました。
ただ、プリキュアで初めて「チョベリバ」という言葉を聞いたのではなく、あくまで“平成に流行った言葉”という認識は持っていることから「古い言葉」として「チョベリバ」を選択していたようです。
第5位にランクインしたのも平成の流行語「写メ」(3.8%)。
もともとは、カメラ付き携帯電話(ガラケー)のサービス「写メール」の略称で、携帯電話のカメラで撮影をするとき「写メしていい?」などと使われていた言葉です。
こちらも、3位「チョベリグ」、4位「チョベリバ」同様のランクインの理由が中心となりました。
高校生からは、
- 「言っている人いるけど使ったことがないから」
- 「今は全然使わないが年上は使っているから」
- 「平成で使われてたイメージだから」
といった、平成や昔というイメージを持っている意見や、
- 「親が使ってて古いなと感じるから」
- 「周りの人は使ってないけど年齢高めの先生がよく使ってるから」
と、親世代・先生世代の年齢の人が使うことで「古い」と感じているようです。
中には、
- 「たまに聞くけど詳しい意味がわからない」
- 「写メってどういうことかよくわからないから」
など、「写メ」という意味自体を理解できない高校生も。
「メールで送らないのに写メだと不思議」と、「写メール」の「メール」部分だけを切り取り、疑問を抱く高校生もいました。
ここまで、「“この言葉もう古いなぁ”と感じる言葉ランキング」のTOP5を見てきましたが、特に印象的だったのは平成時代の言葉が上位にランクインしているという状況です。
この背景にあるのは、高校生の親世代・先生世代が「死語」とわかっていながら自分の青春時代に流行した言葉をいまだに使っているという事実がありそうです。
また、令和の現在、好きなヒト・モノ・コトが細分化されすぎている結果、大流行とまでいく現象が少なくなりました。
その点、平成時代というのは、流行をするとそれが全国の隅々までに届いていたといえます。
今回のランキングの上位に近年の流行語がランクインしていないのは、いくら、テレビや若者向けメディアが「流行語」と報道しても、「流行ってないけど…」と冷静に考える若者が一定数いるからだと考えらえます。
そして、令和の現役高校生から、平成時代の流行語が出てくる時点で、いかに平成時代のワードの強さ・センスが際立っていたかがわかるランキングとなりました。
「エモい」「草」はもう古い!6位以下も流行語目白押し

ここからは、「“この言葉もう古いなぁ”と感じる言葉ランキング」の6位~10位をご紹介します。
第6位は「ナウい」(3.4%)。
1970年代末から1980年代にかけて流行した、「今風の」「流行の最先端を行く」という意味の若者言葉です。
高校生からは、
- 「最近聞かないから」
- 「まったくきかない」
といった、いま耳にしないという回答理由や、
- 「親がよく言っているから」
- 「使ってる人が周りにいて古いなと感じた」
など、使用している人から影響されていたようです。
第7位は「エモい」(3.0%)。
心が揺さぶられて「何とも言えない気持ち」に襲われた際に使われる若者言葉。
- 「一時使いすぎたから」
- 「使いすぎて廃れた感じがある」
- 「なんか古いギャルを感じる」
といった、回答が中心となりました。
「エモい」は比較的最近、広く普及した言葉と言えます。
そのため“使い過ぎ”と感じる高校生も多く、逆に若者から卒業される言葉という流れを作ってしまったのかもしれません。
第8位は「草」(2.6%)。
「笑える」「おもしろい」という気持ちを表すもので、SNSでのやりとりやコメントの文末でよく使われていました。
- 「もう古い」
- 「少しダサい」
などの意見から、TOP10入りしました。
だた、ネットスラングとしてはまだ見かけることもあるので、実際の会話で使う“草”というのが「古い」と感じている傾向にあるようです。
第9位は「それな」(2.1%)。
相手の発言に対して強く同意・共感を示す相づちとして、SNSやネットスラングとして普及しました。
この言葉を選んだ高校生からは、
- 「よく使いがちだけど古い」
- 「もう聞かない言葉だから」
- 「昔からの言葉すぎて」
と、死語としての認識が強く出ていました。
ただ、良く使用していた過去はあることから、便利すぎて皆が使いまくった結果、“雑な相づち感”や“テンプレ感”が強くなり、いまは「古い」と感じるようになってしまったのでしょう。
第10位は「はにゃ?」(1.7%)。
疑問やとぼけを表す「あれ?」「ん?」を可愛らしく表現した若者言葉。
- 「全く聞かなくなった」
- 「死語の代表例です」
- 「もう流行ってないから」
といった回答から、実際に現役高校生が利用していて廃れていった言葉として認識をしていることがわかりました。
「なんでこれ流行ったんだっけ?」という回答もあったことから、流行した理由や背景などは全く分からず、なんとなくで使っている高校生もいたようです。
そのため「はにゃ?」を使う熱量も少なく、周りの使用頻度が減ると、あっという間に言葉として消滅していくという令和の典型的な流行語と言えそうです。
今回の調査で、近年の流行語は、「広がった瞬間から“古くなるカウントダウン”が始まる」そんなシビア言葉だということがわかりました。
誰かが使えば一気に広がり、同時に「もう古い」と判断される。
このスピード感こそが、いまの若者言葉の特徴と言えそうです。
そのため、令和の現役高校生が親世代になったとき、「私の若いころに流行った言葉は…」と話をしても、すぐに思い出す流行語は少ないのかもしれません。
一方で、「チョベリグ」や「写メ」のように時代を越えて“ネタ”や“親世代との会話”として残る言葉もあることから、平成時代の流行語はただ消えるのではなく、形を変えて受け継がれていっている側面も見えてきました。
今後どんな言葉が「古い」とすたれていくのか…
注目をしていきたいと思います。
(調査・文/ワカモノリサーチ)
調査期間 2026.4.3〜2026.4.10
調査機関 株式会社ワカモノリサーチ
調査対象 全国の現役高校生(男女)
有効回答数 235名
調査方法 インターネットリサーチ


