「野球離れが進んでいる」と聞くと、少し違和感を覚える人もいるかもしれません。
クラスに野球部が少なく、公園でキャッチボールをする小学生もあまり見かけない。
でも、それは野球が嫌われているというより、外でボールを使って遊べる場所や、体を動かすきっかけ自体が減っているからなのかもしれません。
10代の野球人口は20年で約150万人減少
週1回以上の野球実施率の推移(2001~2025年):全体・性別 (10~19歳)

年1回以上の野球実施率の推移(2001~2025年):全体・性別 (10~19歳)

笹川スポーツ財団の「子ども・青少年のスポーツライフ・データ2025」によると、2025年に10〜19歳で「年1回以上野球をした」人は12.4%、推計133万人でした。
2001年の282万人から、約20年で149万人減少しています。
ここでいう野球には体育の授業は含まれず、部活や習いごと、休み時間や遊びでのキャッチボールなどが対象です。
つまり、日常の中で気軽に野球に触れる機会が減っていることになります。
背景には少子化に加え、スマホやゲームなど屋内で楽しめる娯楽の増加、公園でのボール遊びの禁止や制限などがあるとされています。
「野球離れ」というより、「外で友だちと体を動かす体験そのものが減っている」と考えると、身近な景色ともつながって見えてきそうです。
男女別では、2025年の実施率は男子20.6%、女子3.9%でした。
男子は2001年の37.7%から大きく減少し、人数も265万人から113万人へ。
一方、女子は2.4%から3.9%へ増え、推計人口も16万人から20万人となりました。
男子にとって野球が定番スポーツではなくなりつつある一方、女子が野球に触れる機会は少しずつ広がっているようです。
2021年から2023年にかけて実施率は一度上向きましたが、2025年には再び低下。
特に男子は2023年から5.8ポイント下がり、調査開始以来最も低い水準となりました。
「遊びとしての野球」が減る10代の運動環境
年齢別に見ると、年1回以上野球をした割合は、10〜11歳が16.1%、12〜14歳が14.2%、15〜17歳が10.4%、18〜19歳が6.1%でした。
小学生のうちは野球に触れるきっかけがあっても、年齢が上がるにつれて離れていく傾向が見られます。
週1回以上プレーする人も減っています。10〜19歳全体では、2009年の11.8%から2025年には6.1%へ低下。
男子も22.3%から11.3%と、約半分になりました。
部活やクラブで本格的に取り組む人だけでなく、気軽に遊ぶ人も同時に減っているようです。
笹川スポーツ財団は、公園でのボール遊び規制など、環境の変化も大きいと指摘しています。
ボールを使える場所が減れば、キャッチボールや草野球を始めるきっかけも自然と少なくなります。さらに、家にはスマホやゲーム、動画配信など、座ったまま楽しめる選択肢が豊富にあります。
今回の数字から見えてくるのは、単なる野球人気の低下ではなく、10代が体を動かす場所や時間そのものが減っている現状です。
部活や地域の環境が変化する中、子どもや若者が気軽にスポーツへ触れられるきっかけをどう守るか。
これからの学校や地域にとって、重要な課題になっていくのかもしれません。
出典:公益財団法人 笹川スポーツ財団
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000060227.html


