高校生の5月・6月の時期というと「中間テスト」シーズンです。
テストに向けて、より授業に集中している高校生も多いと思いますが、授業を聞いていて「これってどこで使うの?」「社会に出て役に立つことなの?」と感じたことは高校生活を経験した人なら誰しもがあるかもしれません。
そこで、ワカモノリサーチでは全国の現役高校生に、
高校の授業の内容が社会で役に立つと思いますか?
というアンケート調査を実施しました。
29.3%は「役に立たない」と回答 女子高生から「数学は絶対使わない」といった声が噴出

「高校の授業の内容が社会で役に立つと思いますか?」
このアンケート調査の結果は、役に立つと「思う」が70.7%、役に立つとは「思わない」が29.3%となり、約3割の現役高校生は学校の授業が社会で無意味と感じていることが分かりました。
社会で役立つとは「思わない」高校生の意見と見ていくと、
- 「勉強はなにも役に立たないとおもうから」
- 「日常生活では役に立たないと思うから」
- 「勉強いらない」
- 「まじ使わない」
- 「意味ない」
といったストレートな意見が目立ちました。
1クラスが30人程度だとすると、クラスで10人弱の生徒が「この授業って社会に出て意味あることなの?」と疑問を感じながら受けていることになります。
これは決して少ない数字ではありません。
高校の先生方はいかに“社会で必要なことなのか?”という前提を生徒に理解させてから授業に臨む必要がありそうです。
また、
- 「社会に役に立つのは小学校までだと思う」
- 「中学の学習で十分」
といった声もあったことから、社会で役立つものは中学までに完了していると考える強者も。
この回答をした高校生に“高校の授業の意義”を伝えるのは至難の業かもしれません。
他には、具体的な教科に対して「役立たない」と思う傾向も。
- 「歴史意味ないから」
- 「古典とかはつかわない
- 「国語とか使わなそうだから」
- 「社会の授業で役立つのは小学校までだと思う」
など、暗記が多い科目や昔の話が多い科目に対して疑問に思う高校生がいました。
目まぐるしく進化をしている時代ということもあり、戻ることのできない“過去”に対して「今必要なこと?」と違和感を覚えているのかもしれません。
そして、女子高生からは特に「数学」に関する回答が。
- 「数学とか絶対使わんやろってやつありすぎ」
- 「無駄なことも多い。とくに数学とか」
- 「数学とか使わないから」
- 「数学など社会に出ても使わないと思う」
- 「数学以外は役に立つと思う」
- 「チェバの定理とか誰か使うのか分からない」
など、女子高生からかなりの集中砲火を浴びていました。
男子高生からの意見が少なかったことを考えると、令和では男性に比べ女性の方が細かい数字には弱いということもありそうです。
そして、令和の先生は、女子高生に「数学」を教えるときは要注意ということは覚えておくよいでしょう。
“すべてが役立たないわけではない”と考えている高校生もいたようで、
- 「(基本役立たないけど)すこしはなる」
- 「物によるけど、あまりないと思う」
- 「内容それぞれが特定の職業にしか繋がらないから全てが役に立つ人はいないと思います」
- 「その専門分野でしか使わないと思うから」
- 「1部なら役立つのかも」
- 「生活面は役立つけど内容は役立たない」
といった声もあり、基本ベースは役立たないと思いながらも、将来、専門職などにつくことがあれば役立つ可能性があるという意見もありました。
それでも、「テスト用の細かい知識は別にいらない」という本音を語る高校生もいたことから、“社会に役立つ勉強”ではなく“テストで良い点数取るための勉強”という考え方が透けて見える結果にもなりました。
約7割は「役に立つ」と回答 現在の社会・政治に必要不可欠!?
一方、高校の授業は社会で役に立つと「思う」と回答した70.7%の高校生からは、
- 「授業の内容が常識になっているから」
- 「教養になるから」
- 「知識はないよりあった方がいい」
- 「一般常識を学べるから」
- 「常識を学ぶから」
- 「全て生きてく上で大切だから」
といった、一般常識を養う上で必要なものと認識している意見が寄せられました。
また、
- 「社会情勢がわかる」
- 「社会の基礎的なことを学ぶことでテレビとかで分かりやすくなるかなと」
- 「社会とか知ってるとニュースが分かるから」
- 「ニュースがちゃんとわかるようになると思う」
- 「世界史とかだと今起きていることがよりわかると思う」
- 「時事問題などを扱う分野もあるから」
といった高校生の回答も多かったことから、“ニュースをちゃんと理解できる自分でいるための土台”として学校の授業、特に社会科系は必要だと感じているようです。
この背景には、昨今の世界情勢が不安定ということもありそうで、“もしものときのため”といった危機感が勉強の意欲をかき立てる、何とも言い難い動機もあると言えそうです。
他には、
- 「公共など、なんの職についても役立つものがあるから」
- 「公共の授業は選挙などの仕組みが学べるため」
- 「政治とかはやはり選挙とかで得するから」
- 「公民とかで選挙のことを知れるから」
- 「政治の話もあるから」
- 「社会や政治の仕組みは使えそう」
なと、「選挙」「政治」「社会の仕組み」をキーワードに、“ちゃんと大人としてやってくための知識”として役立っていると感じている高校生や、
- 「国語は言語力に繋がると思う」
- 「漢字とか読めるようになるから」
- 「英語は役立つでしょ」
- 「英語などはこれからのグローバル化する社会に必要になるから」
など、語学は社会に直結するため役立つと考えている高校生。
- 「看護学科だから」
- 「看護の勉強は役立つから」
- 「自分は商業高校生だから」
- 「工業系の高校に通っているから」
- 「商業科なので簿記や情報処理が扱えると思ったから」
と、すでに専門科目の色が強い高校に通っていることで、社会に出てすぐに役立つと思っている高校生からの意見が目立つ調査結果となったようです。
その他、気になる回答としては、
- 「物事の学び方を学んでいると考えると良い経験かなと思います」
- 「なにを学ぶかより頭を使うことが大切だと思う」
- 「覚えることではなく、思考のやり方は勉強になる」
- 「論理的思考が役立つ」
- 「物事を論理立てて話すことを身につけられるから」
など、教科の中身以上に“頭の使い方”や“人間としての土台”に役立っているという声や、
- 「頑張った経験は自信に繋がるから」
- 「まず勉強する根気強さが強みになるから」
- 「人間形成において必要」
といった、根性論や人間形成という広い意味での“成長”に対して役立つという声、
- 「大事じゃない勉強はないから」
- 「全ての基礎が勉強だから役立つはず」
といった根拠はないけど“きっと必要なことを学んでいるのだ”と考えている高校生からの声も寄せられました。
これらの意見から仮に“高校の授業が社会に役に立たない”とすると「いったい何のために朝早く起きて高校に通っているんだ!」と自分自身を否定したくなる気持ちも湧いてくるのでしょう。
“役立たないことをしている”と認めたら高校生活の意味も見いだせなくなるため、何が何でも“社会に絶対に役立つ”と信じて通学している人も少なくないのかもしれません。
今回の調査の結果、授業の価値に対する認識が大きく分かれる結果となりました。
同じ授業でも受け取り方がここまで違うのは、今の高校生の特徴のひとつなのかもしれません。
とはいえ教室では今日も、「これ社会にでてどこで使うの?」という心の中のツッコミが日本中の高校で飛び交っているのは…
間違えなさそうです。
(調査・文/ワカモノリサーチ)
調査期間 2026.4.10〜2026.4.17
調査機関 株式会社ワカモノリサーチ
調査対象 全国の現役高校生(男女)
有効回答数 334名
調査方法 インターネットリサーチ


