人生の中で「価値観が変わる」といったキーワードのひとつに海外旅行があります。
ゴールデンウィークや夏休みと行った長期休暇に海外に出向き、世界遺産を目の当たりにしたり、伝統文化に触れたり、映画やドラマで見た憧れの聖地に実際に足を踏み入れたり…
海外ならではの環境に触れることで、その後の人生で影響を与えることもあります。
そんな海外旅行に多感な時期を過ごしている高校生はどの程度行っているのでしょうか。
2割の女子高生がこの1年で海外へ きっかけの多くは“修学旅行”

今回ワカモノリサーチでは、全国の現役女子高校生に、
この1年間で一回以上、海外旅行をした経験はありますか?
というアンケートを実施したところ、19.7%が「ある」と回答しました。
約5人に1人の女子高生が海外を経験しているという結果となり、昨今の円安・物価高の中では、比較的多い数字といえそうです。
そして、「ある」と回答した女子高生で一番多かった意見が、
- 「修学旅行が海外だった」
- 「修学旅行で韓国に行った」
- 「修学旅行で台湾に行った」
- 「修学旅行でオーストラリアに行った」
といった、学校行事の一大イベントである「修学旅行」が多く占めました。
近年では修学旅行の行き先として海外を選択する学校も増えており、以前に比べて若い世代が海外に触れるハードルは下がってきているといえそうです。
ちなみに一番多い行き先は台湾のようで、日本から数時間で行ける距離の近さに加え、予算面や治安の良さが選ばれる理由に挙げられます。
そして、
- 「留学プログラムに応募したため」
- 「留学にオーストラリアに行きました」
- 「海外派遣研修事業に参加した」
と、学校生活の延長線上に海外があるケースも多いようで、語学力の向上や異文化に触れる経験を通じて、海外を将来の選択肢の一つとして捉える若者も増えているようです。
この背景には、学校側による留学制度や研修プログラムの充実があり、海外への一歩を後押ししていると考えられます。
また、別の意見で印象的だったのは
- 「兄がオーストラリアに留学しているので家族旅行で行った」
- 「去年親の帰省で海外いった」
- 「父が住んでいるから」
といった回答も見られました。
家族が海外で生活していることで現地を訪れることは自然な流れであり、海外がぐっと身近な存在になっている様子もうかがえます。
会いに来てくれる側からすると、遠く離れていても家族が足を運んでくれることで、距離以上の近さや安心感を感じられるのかもしれません。
女子高生のこの1年での海外旅行の動機は「学校関係」と「家族が海外にいる」という2つが主で、他の意見は皆無。
「ちょっと海外に行ってみる?」と言ったような気軽な海外旅行は女子高生の世代にはまだ早いのかもしれません。
一方で、この一年間で海外旅行に「行っていない」と答えた80.3%の女子高生の理由を見ていくと、
- 「お金がないから」
- 「金ない」
- 「高いから」
- 「費用が高い」
といった現実的な回答が大半を占める結果となりました。
やはり、自由に使えるお金が限られている若者にとって、海外旅行はハードルの高い選択肢であることがうかがえます。
また、友達との交際費やファッション、推し活などの使い道が多い女子高生だからこそ、限られた予算の中での海外旅行は選択肢としては低くなるようです。
また、
- 「怖いから」
- 「海外怖い」
- 「治安が怖い」
など、海外に対する印象そのものに対する漠然とした不安の声も多く見られました。
行ったことがない場所だからこそ、情報だけが先行し、不安なイメージが膨らんでしまう傾向もあるのかもしれません。
さらに具体的な理由としては、
- 「飛行機こわい」
- 「母が飛行機恐怖症」
など“飛行機”によるハードルも挙げられています。
海外旅行に船で行くというのはなかなか難しい選択となり、飛行機がNGな時点で海外という選択肢は無くなるのかもしれません。
特に未成年である高校生にとっては、自分一人の意思だけではなく、家族の価値観や環境が大きく影響していることもうかがえます。
その他にも、
- 「日本がいい」
- 「日本より行って楽しい国ある?」
といった、率直な意見も見られました。
海外に行かない理由は必ずしもネガティブなものだけではなく、「今の環境で満足している」という前向きな選択でもあるのかもしれません。
男子高校生にとって海外旅行は“ほぼ無理ゲー”!?

ワカモノリサーチでは、全国の現役男子高生にも「この1年間で一回以上、海外旅行をした経験はありますか?」というアンケートを実施しました。
その結果、行ったことが「ある」と回答した男子高生は15.3%。
女子高生よりも少ない結果となりました。
まず、「ある」と回答した男子高生の意見をみていくと、
- 「修学旅行」
- 「修学旅行だから」
- 「台湾に行った。修学旅行」
という回答が多く見られ、男女ともに海外へ行くキッカケの大半を“修学旅行”が占めるという結果に。
費用や手続きが少なく、若者にとって最も現実的な海外経験の入り口となっているようです。
その他のキッカケも女子同様で、
- 「親に連れて行かれた」
- 「家族旅行」
といったパターンが中心に。
お正月やGW、夏休みに向けて家族で計画することで、自然と会話や時間が増え、家族のつながりを深めるきっかけにもなっているようです。
海外旅行そのものだけでなく、その過程も含めて“家族の思い出”として残っていく、そんな一面も感じられました。
- 「ちょっと行ってみたくなったから」
- 「(海外旅行)したかったから」
- 「ハワイにいきたかったから」
と、自発的に海外旅行に行った男子高生も僅かながらいました。
女子では自発的な意見はほとんどなかったことから、母数としては女子高生の方が海外旅行をしますが、男子高生の方が冒険心で海外旅行に行く若者が多いといえそうです。
また、「チルするため」といった、大人でもなかなか味わえないようなユニークな回答もありました。
早い段階で異文化に触れる経験はその後の価値観や行動力の幅にもつながっていくのかもしれません。
一方で「ない」と答えた男子高生は全体の84.7%という大半を占めました。
中でも、
- 「資金的に厳しい」
- 「そんなにお金に余裕がない。海外ではなく日本でいい」
- 「行きたいけどお金ないから」
といった“お金“に関する現実的な声が多く挙がったそうです。
一般的に1回あたりの海外旅行にかかる費用は平均約20万から25万円と言われており、10代の若者たちにとって大きな負担となります。
憧れはあったとしても、現実的なハードルの高さではなく、実行に踏み切る高校生は少ないようです。
また、
- 「パスポート持ってない」
- 「県内しか旅行行ってないから」
- 「生まれて一度も海外旅行はない」
といった海外未経験者の回答も目立ちました。
勉強や部活、アルバイトなど自分の行動範囲がまだ限られている若者にとって、海外旅行はまさに“遠い存在”であることは間違いありません。
修学旅行や家族旅行などのきっかけがなければ、海外は日常の延長線上にないものとして捉えられる様子がうかがえます。
他には、「英語が分からない」といった言語の不安面。
「治安が心配」といった安全面での意見も多く寄せられており、総じて“怖いから”という心理が海外旅行を遠ざける要因になっているようです。
今回の調査でわかったことは、若者が自発的に海外旅行に行くケースは稀といっても過言ではなく、家族の提案や環境、学校行事が絡まないとなかなかハードルは高く現実的ではないという事がわかりました。
それでも、海外での経験はその後の大きな財産になることは間違えない事実。
でその“最初の一歩”をいつ踏み出すか。
地球は、いつでもその一歩を待ってるはずです。
(調査・文/ワカモノリサーチ)
調査期間 2026.3.13〜2026.3.23
調査機関 株式会社ワカモノリサーチ
調査対象 全国の現役高校生(男女)
有効回答数 321名
調査方法 インターネットリサーチ


