厚生労働省の発表によると、昨年の出生数は67.1万人と、2024年の68.6万人からさらに減少しました。
2000年には“ミレニアムベイビー”と呼ばれる約119万人の赤ちゃんが誕生していたことを考えると、この四半世紀で出生数は大きく減少しています。
そんな少子化が進む今、「子どもが欲しい」「子育てをしてみたい」という価値観にも変化が見られているのでしょうか。
そこで今回は、令和の若者女性を対象に、「子育て」についての本音を聞いてみました。
少子化でも約3人に2人が「子育てを経験したい」その本音とは?

まず、ワカモノリサーチでは全国の15歳~19歳の女性を対象に
苦労をしてでも『子育て』を経験したいですか?
というアンケートを実施したところ、全体の66.5%が「経験したい」と回答しました。
その理由をみていくと、
- 「憧れがある」
- 「女性としてやっぱやっておきたい」
- 「愛する者を持ってみたい。それが生き甲斐になると思う」
などの回答が多く寄せられました。
女性だからこそ一度は出産や子育てを経験してみたいという憧れに加え、自分の子どもを育てることでしか得られない喜びや、生きがいを感じたいと考える声が多く集まりました。
さらに別の声をみてみると、
- 「大変だとは聞くけど、喜びも多そうだから」
- 「苦労してても楽しいと思える瞬間はあるから」
- 「産むのはまじで嫌だけどほんとうに幸せな家庭を築きたい!」
といった声も集まりました。
実際に、出産時の痛みや育児では夜泣きにイヤイヤ期、家庭では家事との両立など、困難があることを前提にしながらも、それ以上に子どもの成長や家族との時間に幸せを感じている若者たちの意見も多く、人生を豊かにしてくれる経験として前向きに受け止めている様子がうかがえます。
他には、
- 「ママがそうしてくれたから」
- 「母がどれだけ苦労したか知りたいから」
- 「お母さんが小さい子の本当の可愛さは自分の子どもじゃないと分からないと教えてくれたから」
という理由も集まりました。
母親への尊敬や憧れが、「子育てを経験したい」という価値観につながっている意見も印象的でした。
自分が子どもの頃に当たり前のように受けていた愛情や苦労は、親になって初めてその大きさに気づくものなのかもしれません。
自分もいつか親となり、その愛情を次の世代へつないでいきたい。
そんな思いが感じられる回答も数多く寄せられました。
一方で「経験したくない」と答えた33.5%の声をみていくと、
- 「大変な思いをしてまで欲しくは無い」
- 「苦労することを自分から進んでしたくないから」
- 「今苦労してる人達を見るとなんか嫌」
といった声が目立つ結果に。
経験したいと思わない理由の中に「苦労」という言葉を挙げる声が特に多く見られました。
子育てや育児を「幸せよりも大変さが先に浮かぶもの」と捉えているようで、身近な親や周囲の大人たちが苦労している姿を見てきたからこそ、「自分にはできそうにない」と感じてしまう様子がうかがえました。
また、他の意見を見てみると、
- 「子供が好きじゃない」
- 「子どもをみているといらいらするから」
- 「自分の子供でも可愛がれる自信がない」
という声も寄せられました。
出産子育て経験の前にそもそも「子供が苦手」という意見も理由に挙げられます。
子供中心の生活で自分の時間が奪われてしまうことや、無邪気に騒ぐ光景を可愛いと思えずに「自分が親になっても愛情を注げる自信がない」と考える女子も少なくないようです。
やりたい事が沢山ある若者たちのライフスタイルにおいて両立は難しいと感じている声も目立ちました。
さらに違った意見をみていくと、
- 「しっかり整った環境で子育てをしたい」
- 「子供好きだけど今の時代子育てしたくてもお金について考えると苦しい」
- 「物価高とかでお金が足りなさそうだから」
という現実的な意見も見受けられました。
昨今の価格高騰による経済困窮を問題視する声も見受けられ、ただでさえ自分自身の生活に精一杯な若者からすると、子供と向き合う余裕がないといった本音も伺えました。
そして、少子化の背景の一つとして挙げられる経済的な課題からも、子育ては生活基盤が整って初めて考えられるものだと冷静に捉えているようです。
子供の人数は「2人」が理想?それぞれが描く家族のカタチとは…

続いて、全国の15歳~19歳の女性に
将来、子どもは何人欲しいですか?
というアンケートを実施した結果、約半数の48.0%が「2人」と回答しました。
「2人」という回答で最も多かった理由をまとめると、
- 「ちょうどいい・バランスがいい」
- 「兄弟は最低限いた方が楽しそうだから」
- 「自分が一人っ子だから」
といった声が寄せられ「多すぎず少なすぎず」というバランスの良さを理由に挙げる声が特に目立ちました。
一人っ子だった経験から兄弟が欲しかったという意見や、将来お互いに支え合える存在になってほしいという想い。
- 「男の子と女の子一人ずつ」
- 「双子が欲しい」
といった理想の家族像を描く声も多く、家族構成のバランスを重視する傾向がうかがえました。
次に「1人」と少ない人数を答えた声をまとめてみると、
- 「1人の子に沢山の愛を注ぎたい」
- 「1人の子どもにお金も時間もかけて大切に育てたいから」
- 「今ひとりっ子で充実した生活を送れているから!」
という理由が挙がり、1人に愛を注ぐというポジティブな声が多かったのが印象的。
「0人」と回答した若者女性からは、
- 「お金・社会情勢への不安」
- 「子育てできる自信がないから」
というネガティブな声が多かったようです。
そして、「0人」「1人」に共通していたのが、
- 「痛い思いを味わいたくない」
- 「2人も産む痛さを味わいたくないから」
といった回答。
出産そのものへの不安も、理想の子どもの人数を考える理由の一つになっているようです。
「3人」「4人」「5人以上」の若者女性の声をみていくと
- 「大家族は楽しそうだから」
- 「自分が三姉妹でとても楽しいから」
- 「兄弟どうしで遊んで欲しいから」
といった、「賑やかな家庭への憧れ」が見られました。
大家族=楽しいという印象を持っている若者も少なくないようで、特に大人数の家庭で過ごした若者女性からは、その楽しい思い出が、そのまま将来の理想へと受け継がれているようでした。
また、別の意見として
- 「奇数より偶数の方が楽」
- 「子供が4人だとみんな仲良くしてくれそうだから」
といった回答もありました。
奇数だと意見が分かれたときに一人だけ少数派になってしまったり、おもちゃやゲームなどを取り合う場面が増えたりすることをイメージし、偶数のほうが過ごしやすいと考えているようです。
将来の家庭での何気ない日常まで思い描いている様子が伝わってくる、思わず微笑んでしまう回答となりました。
多様性の時代に問う、女性にとっての幸せとは?令和女子の本音を調査!

全国の15歳~19歳の女性に
女性にとって、どの人生が幸せだと思いますか?
という調査も実施。
回答は、
「結婚して子供を産み家庭を持つ幸せ」
「社会に出て仕事をしてキャリアアップしていく幸せ」
「家庭も仕事も両立できる幸せ」
の3択で選んでもらいました。
その結果、最も多かったのが「家庭も仕事も両立できる幸せ」となり、全体の66.3%を占めました。
その理由をみていくと、
- 「結婚もしたいし自分のやりたいこともやりたい」
- 「仕事も家庭もどっちも欲しい・両方大事」
- 「家族も大事にしたいし自分の人生も大事にしたい」
という声が見られました。
これから就職や結婚など、さまざまなライフイベントを迎える若者たちにとって、家庭を築くことも仕事で活躍することも、どちらも将来の理想の人生として描かれているようです。
「家庭か仕事か」ではなく、両方を実現したいという価値観が、多くの回答からうかがえました。
その他、集まった意見として、
- 「全てはいいバランスが幸せだと思うから」
- 「人生は何かに偏っているよりもいくつかの楽しみがあった方がいいと思うから」
- 「結局はどっちかだけじゃ足りない方を求めることになるから」
という価値観が垣間見られました。
両立という堅苦しさではなく、バランスという表現が多くみられたのも印象的で、「両立しなければ」と自分を追い込むのではなく、自分に合ったバランスこそが幸せにつながるという考え方が、将来を見据えた若者の冷静な価値観として感じられました。
また印象的な回答として、
- 「二兎を追いたい」
- 「欲張りだから」
- 「何でもしたい!」
という、勢いのある回答も。
若いからこそ抱ける「全部やりたい!」というまっすぐな気持ちも、若者らしい魅力の一つと言えそうです。
人生は一度きりだからこそ、仕事も家庭も趣味も、全部手に入れたい。
そんな欲をもった強気な気持ちは今の若者らしさなのかもしれません。
次に多かったのは、「結婚して子どもを産み、家庭を持つ幸せ」で全体の24.9%。
その理由をみてくと、
- 「家庭を持つのに憧れる」
- 「それが私の夢だから」
- 「憧れだし昔からそうだったと思う」
といった意見が集まりました。
「家庭を持ちたい」という思いは、多くの女性が思い描く将来の理想の一つであることがうかがえました。
好きな人と家庭を築き、家族とともに過ごす未来への憧れが回答から感じられます。
また別の回答では、
- 「好きな人達に囲まれた生活だから」
- 「将来を考えられる彼氏がいるから」
- 「好きな人と結婚してかわいい子供を産むのか1番幸せだと思う」
という意見が見受けられました。
好きな人たちに囲まれて過ごす未来は、年代を問わず、多くの人が思い描く幸せのカタチなのかもしれません。
また違った回答として、「私は今の家庭が居心地悪いので家庭円満がいちばん」という切実な声も寄せられました。
自分の家庭環境をひとつの教訓として受け止め、将来、自分が築く家庭だけは温かい場所であってほしいという思いが伝わってきます。
今の経験があるからこそ、誰よりも「幸せな家庭」を願う気持ちの強さが感じられる、印象深い回答となりました。
最後に「社会に出て仕事をしてキャリアアップしていく幸せ」を選んだ若者は全体の8.8%という結果となりました。
この理由を見ていくと、
- 「人それぞれだと思うけど私は働く女性に憧れるから」
- 「お金を稼ぎたい・経済的に自立したい」
- 「誰かに幸せにしてもらうより自分で幸せになる方がいいから」
といった回答がありました。
近年は、女性が家庭に入ることだけではなく、社会で活躍し、キャリアを築いていくことも当たり前の選択肢となっています。
そうした時代背景もあり、自分らしい生き方を実現したいと考える若者が増えているのかもしれません。
また、別の回答を見ていくと、
- 「将来就きたい職業が決まっているから」
- 「仕事で成長したい・キャリアを築きたい」
- 「働く方が幸せそう」
といった声も寄せられました。
まだ年齢的にも出産子育てという願望が現実的ではなく、結婚を望んでいないというよりも、その前に叶えたい夢や目標があるという若者も少なくありません。
まずは社会に出て、自分自身を成長させたいという前向きな気持ちが伝わってくる回答となりました。
また、他の意見として、
- 「結婚が全てじゃないと思う」
- 「今の社会で子供欲しいと思わない」
- 「はっきり言ってどれも当てはまらない、古いと思う」
といった回答がありました。
若い頃から多様な価値観や社会問題に触れる機会が増えたこともあり、結婚が全てではないという考え方や、子どもを安心して育てられる社会ではないという見方を持つ声も見られました。
これまで当たり前とされてきた結婚観に疑問を抱いたり、時代遅れと考える若者も少なくないのかもしれません。
今回の調査では、若者女性の約3人に2人が、苦労があっても子育てを経験したいと考えていることが分かりました。
一方で、物価高や将来への不安から、子どもを持たない選択を考える声も少なくありません。
また、多くの若者が望んでいたのは、「家庭か仕事か」ではなく、その両方を大切にできる人生でした。
令和の若者女性にとって、幸せのカタチは一つではありません。
大切なのは、結婚や出産、仕事などを自分の意思で選べること。
どんな人生を選んでも尊重される社会が、これからさらに求められそうです。
(調査・文/ワカモノリサーチ)
調査期間 2026.5.29〜2026.6.5
調査機関 株式会社ワカモノリサーチ
調査対象 全国の15歳~19歳の女性
有効回答数 400名
調査方法 インターネットリサーチ


