放課後、生徒が納得するまで語り合う。休日でもトラブルがあれば駆けつける――。
昭和〜平成の学園ドラマでは定番だった“熱血教師”ですが、働き方改革やハラスメント防止が重視される今、同じことを現実の学校でやるのは難しそうです。
では、先生たち自身は「熱血教師」をどう見ているのでしょうか。
先生が憧れたのは「厳しいけれど、ちゃんと見てくれる先生」

小・中・高校の現役教員1,002名への調査では、教師を志すうえで影響を受けた作品として、30〜60代で『3年B組金八先生』が圧倒的な支持を集めました。50〜60代では6割以上にのぼります。
一方、20代では『ごくせん』が1位。ただし『3年B組金八先生』も2位に入り、世代を超えて影響を与えているようです。
『GTO』も20代で3位、30〜40代で2位にランクイン。
世代によって作品は違っても、“型破りでも生徒を本気で思う先生”への憧れは共通しているのかもしれません。

憧れた指導スタイルでは、「厳しくも愛情のある指導」が41.8%で最多。「生徒一人ひとりに寄り添う個別指導」41.1%、「生徒の可能性を信じて背中を押す姿勢」38.9%と続きました。
ただ優しいのではなく、「ちゃんと自分を見てくれる」。そんな先生像が、多くの教師にとって理想になっているようです。
「伴走したい」けどできない 最大の壁は業務量

では、その理想は実現できているのでしょうか。
どの年代でも「ある程度実現できている」が最多でしたが、「十分に実現できている」は20代でも3割程度。50〜60代では1割以下でした。

現実の働き方では、「効率重視型」が29.5%、「バランス型」が29.2%、「業務優先型」が14.1%。
生徒に寄り添いたくても、まず目の前の仕事を終わらせなければならない――そんな現実も見えてきます。
ドラマのような行動で「現実では難しい」とされたのは、「問題のある家庭環境に深く踏み込む」45.2%、「放課後や休日も継続的に個別対応する」42.4%、「一人の生徒のために長時間付き添う」40.7%でした。
かつて“熱心な先生”として描かれた行動が、今では時間やプライバシー、トラブルのリスクを考えなければできないものになっています。

理想の指導を妨げる要因は、「業務量の多さ」が51.4%でトップ。「ハラスメントやトラブルへの不安」41.9%、「人手不足」40.4%と続きました。
自由回答でも、
「人手不足により一人一人にかける時間を確保することが大変」(30代/男性/東京都)
「生徒も繊細な子が増え、過保護な保護者が増えており、厳しくも愛情のある指導と受け止めてもらえる時代ではなくなった」(40代/女性/宮城県)
「業務量が多いため、もっと多くの生徒と触れ合いたいが、それができない」(50代/男性/静岡県)
といった声が寄せられています。
“熱血教師”が学校から消えたというより、熱血の形が変わったのかもしれません。
休日まで駆けつけ、何時間でも付き添う先生ではなく、適切な距離を保ちながら「必要なときにはちゃんと見ている」。
自己犠牲型の熱血から、無理をしすぎない“伴走型”へ。今の先生たちは、生徒を支えたいという理想と、学校現場の現実との間で、新しい先生像を探しているようです。
出典:システックITソリューション株式会社
https://www.systech-its.co.jp/

