「学生時代に力を入れたことは?」と聞かれて、ちょっと固まった経験、ありませんか。
サークルの代表、長期インターン、ボランティアリーダー…。
いわゆる“ちゃんとした経験”ほど正解っぽく見える一方で、「本当は推し活に全力だった」「ゲームに何千時間も費やした」みたいな話は、どこか出しづらい空気もあります。
でもいま、「役に立つかどうか」よりも「どれだけハマったか」をそのまま評価しようとする動きが、少しずつ広がっているようです。
「ガクチカ」じゃなく「ガクハマ」を競うコンテスト
学校法人岩崎学園が開催した「ハマる学生COLLECTION―ハルコレ2025―」は、いわゆる“ガクチカ”とはまったく違う軸で学生を評価するコンテストです。
問われるのは、「何を成し遂げたか」ではなく、「どれだけ夢中になったか」。
審査基準は「ハマりの深さ」「愛の強さ」「やり込み度」といった、かなり感情寄りのものになっています。
応募総数は354件。
賞金200万円というスケールも含めて、「好きに全振りしていい」と背中を押す設計になっているのが特徴です。
ここで面白いのは、「役に立つかどうか」を一度外している点です。
普通の就活では“成果に変換できるか”が重視されがちですが、この場では「なぜそこまでやったのか」という純度のほうが評価される。
つまり、「意味があるかどうか」ではなく、「どれだけ本気だったか」が価値になる世界です。
アイドル衣装もオオサンショウウオも、“偏愛”が評価になる

神奈川県 専門学校生 くりりんさん
グランプリは、「アイドル衣装」にハマった専門学生。
推しを可愛くしたいという気持ちから衣装制作にのめり込み、ライブに着ていくレベルを超えて、プロの現場に足を運ぶところまで到達しています。
ここで評価されたのは、技術そのもの以上に、「推しへの感情を、自分の行動でどこまで広げたか」という点でした。
“好き”がそのままスキルや進路につながっていることが、強い説得力を持っています。
一方、審査員特別賞は「オオサンショウウオ」にハマった高校生。
「大きいから好き」というシンプルすぎる理由から始まった興味が、7年間の調査活動や保全活動へとつながっています。
最初は完全に“役に立たない動機”でも、続けていくうちに社会との接点が生まれる。
この流れ自体が、今回のコンテストの象徴のようにも見えます。
「好きでやってただけ」が、一番強いエピソードになることもある
他にも、パルクール、フラメンコ、クイズ、マイクラサーバー運営など、ジャンルはバラバラ。
ただ共通しているのは、「誰かに評価されるためじゃなく、自分がやりたくて続けていた」という点です。
ここが、いわゆる“作られたガクチカ”との大きな違いかもしれません。
話を盛る必要がないぶん、熱量や具体性が自然と伝わる。
結果として、「この人は何かに本気になれる人だ」という評価につながっているようにも見えます。
「ちゃんとした経験がない」と感じている人ほど、実はもうすでに何かにハマっていることが多いものです。
それが推し活でも、ゲームでも、動画でもいい。
どれだけ時間を使って、どこまで自分なりに深掘りしたか。
そこにちゃんと目を向けてみると、「語れるものがない」状態から少しだけ抜け出せるのかもしれません。
これからは、“役に立つ経験”を無理につくるよりも、“本気でハマった経験”をどう言葉にするかのほうが、じわっと効いてくる場面が増えていきそうです。
出典:学校法人岩崎学園
HP :https://www.iwasaki.ac.jp/index.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000079.000044572.html


