人間なら誰しもが訪れる「死」というもの。
高齢者になればなるほど身近に考えることはありますが、令和の若者となると深く考える機会も少ないものかもしれません。
しかし、ニュースでの事故や事件、映画・ドラマといった作品を通じて、ふと「死」について頭をよぎることもあるのではないでしょうか。
死について考えたことがある7割の若者「身近な体験」「映画・アニメ」などがきっかけに

今回、ワカモノリサーチでは全国の14歳〜20歳の若者(男女)を対象に、
あなたは死について考えたことはありますか?
というアンケート調査を実施しました。
すると、71.0%が「死について考えたことがある」と回答。
多くの若者にとって「死」を意識する機会があることが明らかになりました。
その理由として多かったのが、
- 「小学校五年生の時に父親が死んだから」
- 「ペットが亡くなってしまったから」
- 「お葬式に参加して死について考えたから」
- 「クラスで急に亡くなった人がいたから」
など、身近な死の体験から死について考えてしまうという意見。
高校生にとって、直接的な別れの衝撃が大きく、自分の死と重ね合わせるきっかけにもなっているようです。
他にも、
- 「リメンバーミーとかブラッシュアップライフを見たときに死後の世界や生まれかわりについて考えた。」
- 「デスゲーム系の漫画を読んだ時少し考える」
- 「好きなピクサー作品が死についてだから」
- 「アニメに出てくる天国と地獄は実際にあるのか気になるから」
といった、映画やアニメなどを通じて死を考えるケースも多かったそう。
身近に死を経験していなくても、フィクションの影響で死について自然と考えるのは若者特有の特徴かもしれません。
- 「虐められているとき死にたいと思ったから」
- 「自殺について考えたことがあるから」
- 「中3の時クラスに馴染めず精神的にキツくなったため」
- 「ほんとうに辛くなった時があるので、そのときは死んだほうが楽になれるんじゃないかって思いました」
など、精神的な苦しみから死を意識する声も見受けられました。
いじめや孤独感などで苦しんだ時、「死にたい」と考えてしまう若者がいることは社会として受け止めていく必要があります。
自殺者も増え続ける日本にとっては解決すべき最優先事項なのかもしれません。
死を考えない3割の若者「人生楽しいから」「考えたら怖い」
一方、29.0%の「死について考えたことがない」若者からは、
- 「人生たのしいから」
- 「今が楽しくて死ぬことなんて考えたくない」
- 「今の生活を楽しんでる」
- 「毎日幸せだから!」
など、「楽しい」「幸せ」と感じる日常に満足していることで、死を意識する必要がないと考えているようで、ポジティブな日常が死の意識を押しのけている様子がうかがえました。
また、
- 「まだそんな歳じゃない」
- 「まだそれが近くにあると思っていないから」
- 「まだ16だし!!全然生きる」
- 「まだ自分が死ぬ感じがしないから」
といった、“死がまだ遠いもの”と感じる意見も目立ったそうです。
学生としての日常に没頭している10代・20代前半にとって、死を考える必要性が低いことは当然なのかもしれません。
他には、
- 「死ぬことは怖く考えたくないから」
- 「不快な気持ちになるから」
- 「考えると怖くなっちゃうので考えたくない」
など、恐怖や不安で死について考えることを避ける声も。
死を想像することが心理的な負担になるなら違ったことを考えたいというのは、若者に限らず人間にとって共通することではありそうです。
- 「死んだらそこで終わりだから考えても無駄」
- 「まだ起きてないことを考えても仕方ないから」
- 「考えたところで何にもならないから」
- 「考える必要なはい、死ぬ時は死ぬ」
という“考えても意味がない”と思う若者も一定数存在しました。
答えが出ない問題に悩むより、今をどう過ごすかの方が重要と考えている傾向もあるようです。
身近な体験やメディアの影響、精神的苦しみなどで「死」を意識した令和の若者が7割いた今回の調査。
考えないと答えた3割も、日常の楽しさや年齢的な遠さ、恐怖や無意味さを理由に死を避けていたともいえます。
そういう意味では、ほとんどの若者が「死」を意識したことがあるのかもしれません。
(調査・文/ワカモノリサーチ)
調査期間 2025.7.22〜2025.8.4
調査機関 株式会社ワカモノリサーチ
調査対象 全国の14歳〜20歳の若者(男女)
有効回答数 434名
調査方法 インターネットリサーチ


