テレビ・ラジオ・SNS・動画配信サービス…
様々なメディアが存在する昨今、各々よく利用するメディアも細分化してきています。
また、年齢によっても必要とするメディアは変わりつつあるのが現状で、令和の若者にとって“必要としない”メディアも一定数存在するようです。
令和の高校生の半数以上が「Facebookはいらない」と回答

ワカモノリサーチでは、全国の現役高校生を対象に
ぶっちゃけなくなっても問題ないメディアは何ですか?
というテーマで、テレビ、ラジオ、SNSといった多様なメディアについての意識調査をしました。
その結果、1位には「Facebook」(55.9%)がランクイン。
半数以上の高校生から「なくなっても問題ない」と考えられており、圧倒的に必要とされていないことがわかりました。
また、その理由の多くが、
- 「使ったことないから」
- 「全然使ってないから」
- 「使ってる人をあまり見ないから」
- 「インスタなどがあるから同じ機能はいらない」
といった、”利用経験がない“という高校生の声。
「どんなアプリかわかんない」といったFacebookの存在すら知らない高校生も存在することから、Facebookは高校生の生活に登場すらしていないことがわかりました。
他に目立った意見としては、
- 「おじさんしか使ってない」
- 「年寄りしか使ってないから」
- 「古い!古すぎる!」
といった声。
“Facebookは年寄り向け、おじさん向けメディア”という印象が強く根付いていることで、高校生には利用する選択肢にすら入っていないそう。
- 「本名フルネームだし怖い」
- 「身元がバレそう」
- 「実名性が高すぎるせいで事件が起きているイメージしかないから」
など、個人情報を特定されたり、それによって、犯罪に巻き込まれるリスクもあるという背景から利用を控えたいと考える高校生もいたようです。
次いで第2位となったのは「ラジオ」(27.3%)。
テレビの台頭で影が薄くなったラジオですが、近年はラジオ発のイベントが大成功。
数万人規模のイベントも多く開催されていることから、マネタイズの意味ではテレビと肉薄しているイメージもあります。
それでも高校生は「なくなってもいいメディア」と考えているようで、Facebook同様、
- 「叔父叔母しか聞いていなさそう」
- 「若い人で使っているのを見たことがないから」
- 「いまあるメディアで一番古そうだから」
- 「最近使ってるのおじいさんぐらいじゃないの」
- 「古!って感じちゃいます」
といった“年寄り向けメディア”と感じており、相当、世代的な隔たりが大きいようです。
ラジオを利用している高校生も皆無で、
- 「ほとんど聞かないので、なくなっても自分の生活には影響しないと思うから」
- 「年一で聞くかどうかだから」
- 「ラジオを使った覚えがない」
など、日常にラジオをという存在すらないこともわかりました。
- 「ニュースはテレビでおーけー」
- 「代わりのものがあるから」
- 「ラジオの情報はネットでも拾えるから」
といった代替メディアの存在も影響しているようでテレビやスマホがあるため、ラジオの必要性を感じにくくなっているそうです。
なお、1位のFacebookと2位のラジオで8割以上の回答があった今回の調査。
高校生にとってはこの2つのメディアはオワコン化メディアの代表となってしまいました。
40代50代にとっての「ポケベル」「PHS」などの存在が、令和の高校生にとっては「Facebook」「ラジオ」なのかもしれません。
TikTokがなくても困らない高校生「治安が悪い」「インスタで十分」などの声
第3位にランクインしたのは、「TikTok」(6.1%)。
若者メディアの代表格でもあるTikTokに必要性を感じていない高校生もいたようです。
中でも目立った意見が、
- 「時間、生産性、民度、どれをとってもこれより酷いメディアはない」
- 「危ないこととかに巻き込まれる可能性があるから」
- 「治安が悪いから」
- 「頭悪い人しか見てなさそう」
- 「迷惑なティックトッカーが増え始めているため」
といった、“民度の低さ”や”治安の悪さ“を理由に挙げる声。
近年、ライブ配信者が事件に巻き込まれるケースが報道されたり、イイネや投げ銭欲しさに“なんでもあり”な投稿や配信をする人も増えているため、そのような不安要素から「なくなっても困らない」と感じているようでした。
また、
- 「YouTubeショートでいい」
- 「インスタのリールで代用できる」
- 「YouTubeショートとかインスタのリールばっかでTikTokあんま見ない」
など、YouTubeやインスタグラムで代用できるという意見も。
とくにショート動画だと、TikTokに投稿したものをYouTubeやインスタグラムにそのまま投稿するケースも多く、わざわざTikTokを見る必要もないそう。
その結果、TikTokが“独自性に欠ける”と見られているようです。
- 「勉強の妨げになっている」
- 「依存してやだ」
といった、勉学に影響がでる意見や、
- 「中国のサイトだから」
- 「中国さんに情報が吸い取られていそう」
といった、中国企業への不安などを理由に挙げる高校生もいたそうです。
第4位には「X」(5.1%)がランクイン。
Xはたびたび炎上をしているイメージも強いそうで、
- 「アンチ、フェミニスト、思想強い奴らの集まり」
- 「否定的なコメント見ていると気分がなえる」
- 「災害情報など以外はいらない情報が多いから」
など、“ネガティブが雰囲気”がXの中には漂っているように感じることで利用を控える高校生がいました。
また、
- 「意外とつかわない」
- 「気づいたらあまり見てない」
- 「動画が見れれば良いからいらないかも」
といった声も。
X自体には登録はしているものの、実は思った以上に利用しないと感じている高校生も一定数いたそう。
「このアンケートで“あれ?そういえばXって使わないなって気づいた”」
と回答した高校生もいたようです。
第5位は「テレビ」(4.4%)。
テレビを見ない若者が増えているという報道をよく見るため、よっぽど「なくても困らないメディア」なのかと思いきや、テレビよりも必要性を感じないメディアが上位に4つもあるという意外な結果となりました。
それでも、なくても困らないと感じている高校生からは、
- 「テレビなんて見ないから」
- 「おもしろくないから」
- 「若い世代の人はほぼテレビを見ていない」
- 「今ネットの方が情報が早いから」
- 「テレビが壊れているけど困ったことがない」
といった厳しい意見が寄せられました。
若者が興味をもつコンテンツが少なかったり、情報のスピードがネットの方が早いことで、視聴習慣が喪失。
日々、利用が減っているということです。
また、信頼性の低下を指摘する高校生からの回答も。
- 「偏向報道のイメージ」
- 「政治に関してなど、嘘の情報が多く流されているように感じる」
- 「テレビとネット両方見ると何が真実かわからなくなる」
近年、YouTubeなど、他の媒体隊で政治の闇や世界の闇などを暴露する動画などが話題になっており、そのような動画を視聴する高校生もいるそうです。
そのような動画の内容を受けて、テレビに対して不信感を抱くことで、視聴習慣がなくなり「なくなってもよい」と考えてしまう傾向があるようです。
今回の調査から、Facebookとラジオは現役高校生の生活から切り離されており、TikTokやXは一部の人気を保ちながらも、治安や依存性などに不安があることが分かりました。
テレビもスマートフォンやネットに押されて存在感を失っています。
この10年で目まぐるしく利用するメディアも変わっていきましたが、さらにこの先の10年後にはどんなメディアが生まれて、どんなメディアが衰退していくのか。
いずれにせよ、令和の高校生はメディアをシビアに評価し、生活に直結しないものは切り捨てていくことになるでしょう。
(調査・文/ワカモノリサーチ)
調査期間 2025.7.22〜2025.8.4
調査機関 株式会社ワカモノリサーチ
調査対象 全国の現役高校生(男女)
有効回答数 429名
調査方法 インターネットリサーチ