体育祭・クラスの発表会・塾の全国模試などで「1位を取りたい!」と考えたことのある高校生もいるのではないでしょうか?
特に“夏の甲子園”などスポーツ系の部活に入り、全国制覇を目指している部員にとっては「1位」は目指す場所となっています。
しかし、昨今の多様化により、「右向け右」ではない教育方針も根付いてきました。
個人・個人の考え方や個性を尊重し、他人と比較することなく、自分のやりたいことや得意なことを伸ばしていけばよいと考える高校生も少なくはないようです。
2009年の国会では民主党の蓮舫議員が「2位じゃダメなんでしょうか」という発言をしていましたが、あれから16年。
その発言の年に生まれた子供たちが現役高校生になりました。
そんな令和の高校生は、いまだに「1位」を目指したいと思うのか?
それとも多様化により「1位ではなく2位でもよい」と思うようになったのでしょうか。
「2位でもダメではない」61.3%の高校生「2位でも十分すごい」などの声

ワカモノリサーチでは全国の現役高校生(男女)に
高校生活で1位を目指すことがあると思いますが…ぶっちゃけ、2位ではダメですか?
というアンケート調査を実施しました。
その結果、「2位ではダメ」と回答したのが38.7%、「2位でもダメではない」と回答したのが61.3%となり、6割以上の現役高校生が、1位を取らなくても問題なく「2位でもOK」と考えていることがわかりました。
「2位でもダメではない」と回答した高校生の中で一番多かったのが、
- 「2位でも十分すごいから」
- 「2位でもすごくないすか?」
- 「2位でも良く頑張ったで賞」
- 「2位も他と比べればすごいから」
- 「2位は3位以下の人達全員に勝ってるからおけ!」
- 「一位ではなくてもいい結果だと思うから」
- 「一位が一番良いわけでもはないと思うからです」
など、“2位でもすごい順位である”と誇っている声。
- 「2位も1位もそんなに差はないと思うから」
- 「1位の方が良いけれど、別に2位がダメな訳では無いから」
- 「2位でもいいと思います。そもそも一桁な時点ですごい」
といった回答も目立ったことから、1位になれないことを“悔しい”と感じるのではなく、“2番でも十分”と変換できてしまう高校生が多数派という、個人を尊重する令和の時代ならではの結果となったようです。
また、
- 「TOP3なら全然いいと思う」
- 「トップ3になったことがないから」
- 「トップ3に入ってるだけで凄いから」
と1位、2位だけでなく上位3位以内に入っていれば“凄い”という高校生もいました。
スポーツで“1位と2位には大きな差がある”などのシーンを目にすることもありますが、「2位でもダメではない」と感じている高校生にとって、それは気にならないこと。
むしろ1位と同等レベルの価値がTOP3入りにはあるのかもしれません。
他には“努力”や“頑張った過程”を評価する高校生も多く、
- 「努力したこと頑張ったことに意味があるから」
- 「努力したことが大事!もし結果が出なかったとしても次に活かせばいい」
- 「目標に向かって頑張ることが大事」
- 「順位じゃなくて過程が大事」
- 「自分で一生懸命頑張ったならそれで良いから」
- 「個人的にそこを目指した過程が大切だと思うから」
- 「自分が精一杯頑張って出た結果は受け入れた方がいいから」
- 「頑張ったことには変わらないしその人の頑張りを否定することになるから」
- 「大事なのは順位ではなく、自分がどのくらい得点を得ていたかだから」
など、「2位でもダメではない」理由を熱くコメントしてくれる高校生が多かった印象です。
令和の高校生にとって順位は二の次。
まずは“チャレンジして頑張ったかどうか”が1位になるより大切だと考える傾向にあるようです。
そして、少し残念な声も。
- 「自分にはそこまで強い勝負欲がないから」
- 「別に1位取れるような人じゃないから」
- 「人間には限界というものがあるから」
- 「変に1位に固執しすぎると疲れるから、少し余裕を持つぐらいの方がいいと思うから」
- 「1位になれることがないから。年齢を重ねていくと1番になることが難しくなる」
といった、自分自身の身の丈を理解し、「1位を取れる人間ではない」とチャレンジする前から諦めてしまっている高校生たちも一定数いたようです。
これらの高校生には、“努力”や“頑張った過程”が大事だという同世代が多いことに気づいてもらい、少しでも前を向いて様々なことにチャレンジしてもらうことを願うばかりです。
「2位ではダメ」な高校生「負けず嫌い」「1位以外意味がない」など
一方、「2位ではダメ」と回答した38.7%の現役高校生の意見を見ていくと、
- 「負けず嫌いだから」
- 「悔しいから」
を理由にする高校生からの声で溢れました。
そのため、
- 「やるからには1番にこだわる」
- 「ナンバーワンがかっこいいから」
- 「てっぺんとりたいっしょ!」
- 「やっぱ練習したからには一位取らなきゃもったいない」
など“1位”という頂上をめざすことを目標にチャレンジしたいと考える高校生もいたようです。
- 「一位以外は良くないから」
- 「一位こそ正義だから」
- 「一位以外はあまり嬉しくないから」
- 「一位にしかない価値があるから」
と、1位のみが価値があると考える高校生も。
何かにチャレンジする際、1位にのみ価値があると考える高校生からは、
- 「何人中かにもよるが1位と2位では相当な差があると思う」
- 「諦めること自体二流。自分が目指せる1番を狙う」
- 「上を目指すならてっぺんを目指すべきだから」
- 「日本一高い山と聞かれたら富士山だと分かるがが、2番目に高い山と聞かれると分からない答えが多いから、つまり1位じゃないといけないから」
といった声が寄せられました。
後々、自分の実績を人に話す時、「1位だったよ」と「2位だったよ」とでは雲泥の差があるとも感じているようで、
「何かで1位を取った人はそれを武器に一生生きていける」
といった考えを持つ高校生も。
1位を取ることが人生のアドバンテージになると考えているのかもしれません。
そんな1位以外を考えない高校生が「2位ではダメ」と思っているため、
- 「2番は微妙な数字だから」
- 「2位は最下位と同じようなもん」
- 「1位の人にも見下されるから」
- 「2位は1位より価値がない」
- 「1位であることに意味があるし、2位は負けだから」
と、2位には何の価値もないと理解していることも判明。
「2位でもダメではない派」の高校生がTOP3でも十分だと考えている傾向にあるため、「2位ではダメ派」の高校生との間には大きな価値観の差があるのかもしれません。
今回の調査では、「1位でなければ意味がない」と考える高校生が一定数いる一方で、6割以上が「2位でも十分」と前向きに受け止めている姿が見えてきました。
“結果の順位”よりも“過程の頑張り”や“挑戦した事実”を重視する声が多かったのは、多様性を尊重する今の価値観ならでは。
これからの高校生たちは、“順位で語られる成功”だけではなく、それぞれが歩んだストーリーにも目を向けながら、自分なりの成長を見つけていくのかもしれません。
(調査・文/ワカモノリサーチ)
調査期間 2025.12.2〜2025.12.5
調査機関 株式会社ワカモノリサーチ
調査対象 全国の現役高校生(男女)
有効回答数 186名
調査方法 インターネットリサーチ


