近年、テレビや配信サービスで注目を集める「恋愛リアリティーショー」。
出演者の恋模様を追う番組はSNSを中心に人気を博しています。
一方で「興味がない」と感じる人も一定数いることから、意外と「好き」「嫌い」が分かれるコンテンツともいえそうです。
そんな「恋愛リアリティーショー」、令和の若者はどの程度関心があるのでしょうか。
「恋リアが好きではない」4割の高校生からは「やらせっぽい」「他人の恋愛に興味ない」の声

ワカモノリサーチでは、全国の現役高校生を対象に
恋愛リアリティーショーは好きか?
をテーマにアンケートを実施しました。
その結果、41.5%が「いいえ」と回答。
約4割の高校生が恋愛リアリティーショーを好きではないことが明らかになりました。
そんな中、最も目立った意見が「やらせ疑惑」について。
- 「台本があるんじゃないかと疑ってしまう」
- 「3日で人を本気で好きになるわけない」
- 「所詮フィクションにしか見えない」
- 「2泊3日で恋とか無理すぎる、合コンじゃん」
- 「インフルエンサーが売れるために体を張っているようにしか見えない」
- 「結局ビジネスで付き合ってるだけでしょ?」
などの声が多く寄せられていることから、現役高校生の多くは「短期間で恋が成立するのは不自然」「作り物っぽい」と感じ、番組に“やらせ感”を強く抱いていることがわかりました。
もちろん“やらせ”ではなく、真面目に制作をしている番組がほとんどだと思いますが、“リアリティーショーなのにリアルさを欠いている点”が、恋愛リアリティーショーを好きではない理由になっているようです。
また、制作側が真剣に取り組んでいたとしても、
- 「リアル感がなくて茶番に見える」
- 「結局は作り物にしか思えない」
- 「現実では起こらない展開ばかりで嘘っぽい」
- 「みんな演技してるように見える」
といった、番組が「リアル」をうたいながらも、実際には非現実的に感じられる点に不信感を持っている声も目立ちました。
恋愛そのものよりも、作り込まれた演出や不自然な展開に冷めてしまうのが特徴なようです。
他には、“人の恋愛”に対しての冷めた意見も。
- 「他人の恋愛なんか見ても楽しくない」
- 「知らない人の恋愛は退屈」
- 「人の恋愛に興味がない、自分の方が大事」
- 「人の恋愛を見世物にするのが嫌い」
- 「人の恋愛で金儲けしてるだけに見える」
- 「応援とかできないし、むしろ辛い」
など、「そもそも人の恋愛に興味がない」という現役高校生も多く、恋愛をエンタメにすること自体に違和感を覚える傾向も強く見られました。
また、そんな違和感が行き過ぎると羞恥心すら感じる現役高校生もいたようで、
- 「見てて恥ずかしくなる」
- 「キュンキュンしすぎて逆にハズい」
- 「ドキドキよりも恥ずかしさが勝つ」
という、見ている自分が恥ずかしくなってしまう声もありました。
- 「それよりドラマの方が面白い」
- 「展開が単調で飽きる、ドラマなら工夫がある」
- 「見ててもつまらないから映画見ちゃう」
という恋愛リアリティーショーの“クオリティー”に疑問を持つ声も。
これらの番組の出演者は一般人やインフルエンサーなど、しっかりとした演技を学んだ俳優業の方とは違います。
リアルより作品としてのクオリティーを重視したことで、より制作費がかかり、実力のある俳優などが出ている「恋愛モノ」の方が視聴したいと感じるようです。
「恋リアが好き」6割の高校生からは「キュンキュンする」「恋愛の勉強になる」の声
一方、「はい」と回答した58.5%の「恋愛リアリティーショー」が好きな現役高校生からは、
- 「見てて自分も恋したくなる」
- 「展開が読めなくてワクワクする」
- 「毎回胸がキュンキュンする」
- 「ドキドキ感がたまらない」
- 「恋愛のときめきを疑似体験できる」
といった“キュンキュンする”という意見が多数寄せられました。
恋愛リアリティーショーの最大の魅力は“ときめき”。
自分の恋愛経験に関係なく、疑似的にドキドキを味わえる点が「はい」と回答した高校生の心をつかんでいるようです。
また、
- 「恋愛経験が少ないから勉強になる」
- 「恋のテクニックが参考になる」
- 「自分が恋愛できてない分勉強になる」
- 「人の恋愛から考え方を学べる」
など、恋愛リアリティーショーを“学びの場”として利用する高校生もいたようです。
自分の経験不足を補い、将来の恋愛に役立てようとする前向きな姿勢も垣間見ることができました。
視聴者と出演者の“距離の近さ”も「はい」と回答した要因に。
- 「同年代のリアルだから共感できる」
- 「自分の恋愛と重ねられる」
- 「同い年だから親近感がある」
- 「高校生同士だから感情移入できる」
という同年代ならではの感覚で「自分ごと」として見られる点が魅力となっているようでした。
他には、
- 「推しのインフルエンサーが出てると応援したくなる」
- 「みんなビジュがいい!」
- 「美男美女の恋愛を見るのが楽しい」
- 「推しカップルを応援する文化がある」
といった出演者を“推し”として楽しんだり、
- 「友達と盛り上がれる」
- 「学校でも話題にできる」
- 「みんなで一緒に見るのが楽しい」
- 「SNSで共有して盛り上がれる」
など、友達との“共通の話題”として機能しているという意見もありました。
仲間を一緒に推しを作ったり、SNSでの共有することが楽しみを倍増させ、番組の魅力を強化していることが伺えます。
今回の調査でわかったことは、若者にとって恋愛リアリティーショーは、“好き嫌いが鮮明に分かれるコンテンツ”だということ。
そんな両極端の意見こそが、高校生たちのリアルな恋愛観やメディアへの向き合い方を映し出しているのかもしれません。
(調査・文/ワカモノリサーチ)
調査期間 2025.7.22〜2025.8.4
調査機関 株式会社ワカモノリサーチ
調査対象 全国の現役高校生(男女)
有効回答数 424名
調査方法 インターネットリサーチ