現在、自由民主党は総裁選の真っただ中、5人の候補者が連日メディアや街頭でそれぞれの公約を語りしのぎを削っています。
また、少数与党になったとはいえ、国会では最も大きな政党であることは紛れもない事実。
今回、自民党総裁に選ばれた1人がそのまま総理大臣になる可能性も十分にあります。
そうなると、今回立候補をしている唯一の女性候補、高市早苗氏の動向は気になるところです。
というのも、仮に高市氏が自民党の総裁に選ばれた場合、「女性初の総理大臣」に最も近づくことになるからです。
そんな「女性初の総理大臣」に関し、令和の若者はどのような意見をもっているのでしょうか?

ワカモノリサーチでは、2025年9月25日~27日の3日間で、全国の現役高校生(男女)を対象に、
日本で女性初の総理大臣はアリ?ナシ?
というアンケート調査を実施。
有効回答724名のうちアリが694名(95.9%)、ナシが30名(4.1%)となり、ほとんどの高校生が“女性初の総理大臣はアリ”と考えていることが分かりました。
その理由の多くを占めたのが
- 「男女平等であるべきだから」
- 「男女差別なしが一番良い」
- 「男女平等の社会になってきているから」
- 「男女平等が謳われるこのご時世男女で格差ができてしまうのはおかしいと思うから」
- 「男女平等社会の実現には総理大臣も性別に囚われずに決まるべきだと思う」
といった“男女平等”を訴える高校生の声。
「男性だから」・「女性だから」という区別をすることに意味をなさないと感じているようで、仮に女性の総理大臣が誕生しても、何もおかしなこととは思わないようです。
そんな男女平等も含んではいますが、
- 「多様性が進んでいるため」
- 「いまは多様性の時代だから」
- 「多様性を尊重するため」
- 「多様性の社会に変わってきている中で必ずしも男性ではいけないとは思わないから」
- 「ジェンダーレスも進んできてる中、気にする必要は無いと思ったから」
- 「ジェンダー平等の一歩に近づけるから」
など“多様性”と“ジェンダー”の観点から女性総理が誕生するのは必然だと考えている高校生も多かったようです。
令和の現役高校生には思った以上に“男女平等”や“多様性”という言葉は体に染みついているものなのかもしれません。
そのため、「男っていうのは…」「女らしく…」などの言葉を発する大人は、高校生に嫌われる可能性は高くなりそうです。
他にも目立った意見はあったようで、
- 「女性だろうが男性だろうが、国をよくできる人がなればいいと思うから」
- 「真っ当なことをしてくれるなら誰でもいい 政治に性別は関係ないと思う」
- 「日本を支えてくれるなら男女関係ないと思うから」
- 「総理大臣として日本をまとめていけるのなら女性で全然いいと思う」
- 「今、1番ふさわしいなと思う方が女性なら女性総理で良いから」
- 「女性だから能力が劣るわけではないと思うから」
といった、実力があるなら男性でも女性でも関係ないという意見。
“多様性”が当然の高校生にとって、総理にふさわしい実力が女性にあるなら仮に初の女性総理が誕生したところで、何も驚くことではないのかもしれません。
失敗を恐れず、積極的な変化を求める高校生の意見も。
- 「今まで女性の総理大臣はいなかったからどんな感じに変わるか見てみたいから」
- 「とにかくやってみないと男性と比較対象にならないから」
- 「総理大臣は男性、という固定概念をなくしたほうがいいと思うから」
- 「女性が政治の先頭をきるのを見てみたい」
- 「前例がないから一回やってみてもいいと思うから」
など“女性総理”を見たことがない日本人にとって、実際に誕生したらどうなるのか?一度体験してみたいという願望を持っていることも分かりました。
このタイプの回答をする高校生は変化に“ワクワク”を感じる傾向に。
もしかしたら、女性が総理になるだけで、関心の薄かった政治に思いっきり関心を持つきっかけになるのかもしれません。
- 「女性に関する政策を考えてくれそうだから」
- 「女性目線の政策が増えて欲しいから」
- 「今まで女性にされてこなかった支援などがされてより良くなると思うから」
- 「女性にしか分からないことや、悩みについて、これからの未来に変化を起こせると思うから」
- 「女性がなれば、そこから女性で立候補する人がたくさん出てきて、今よりももっと国が良くなるかもしれないから」
女性総理が誕生することで、女性の政策の実現性が高くなったり、女性の政治進出のハードルも下がるのではという意見も女子高生を中心に多く寄せられていました。
このような意見があるということは、いまだに女性として、女子高生として満足できていない政策があるということ。
新しい総理大臣が男性であろうと、女性であろうと、女性ならではの視点には目を向けて欲しいものです。
他にも様々な意見が寄せられましたが、総じて、女性総理が誕生してほしいと願うわけではなく、“総理大臣=男性”であるルールがない以上、
「女性が総理になっても当然のこと」
と意外と冷静に判断をしており、女性総理が誕生したとて“驚くべきこと”とは考えていない結果となりました。
ナシ派の4.1%「女性は感情的になりやすいから」などの声
一方、全体の4.1%と少数派になった「女性初の総理大臣はナシ」と考えている現役高校生たち。
一番多く寄せられた意見が、
- 「女性は感情的になりやすいから」
- 「女性の立場でしか喋らないときもあるし感情的な生き物だから」
- 「女の方は偏った思考が多いから」
といった、生物学的に感情的で偏りがちな思考を不安視する高校生の声。
総理という立場になった女性が、国政を度外視にして感情的になることは考えにくいですが、「もしそうなったら」と考えた結果、そのリスクの少ない男性の方が安心と考えたのかもしれません。
また、昨今の取り巻く世界情勢などを踏まえて女性だと不安に思うという意見も。
- 「外国から女性総理だと舐められそう」
- 「外国に対してうまくやっていけるかわからないから」
- 「強い女の人ならいいけど丸めこまれそう」
アメリカや中国といった大国の男性トップと互角に渡り合うと考えた時、“女性で本当に大丈夫”と感じてしまう高校生もいたようです。
物価高で苦しい生活が続く中、日本人が国内のマンションを買えず、外国人がマンションを買ってくような日常を目の当たりにしていると、国外への対策も、気になってしまう高校生は一定数いるようです。
今回の調査では、ほとんどの高校生が「女性初の総理大臣はアリ」と理解していることが分かりました。
そこには、現役高校生にとって女性総理の誕生は“特別な出来事”ではなく“自然な流れ”であるという大前提があることが影響していました。
性別にとらわれないリーダー像を受け入れる空気感は、令和の現役高校生の間ではすでに広がっているようです。
(調査・文/ワカモノリサーチ)
調査期間 2025.9.25〜2025.9.27
調査機関 株式会社ワカモノリサーチ
調査対象 全国の現役高校生(男女)
有効回答数 724名
調査方法 インターネットリサーチ