自民党総裁選も行われる中、連日テレビ・新聞・SNSなどで日本の政局について報道されることも多くなり、国民の政治に関する関心度も増してきています。
そんな政局を目にする機会は令和の若者も増えているのは事実。
そこで、ワカモノリサーチでは令和の若者の「選挙の投票行動」についての調査を実施しました。
15歳~20歳の若者56.9%が「投票してみたい政党がある」と回答!

まず、全国の15歳~20歳の若者(男女1894人)を対象に
投票してみたい政党はありますか?
というアンケート調査を実施。
選挙権のない若者には「もしも選挙権があったら」という仮定で答えてもらいました。
その結果、「ある」と答えたのは56.9%、一方で 「ない」と答えたのは43.1%で半数以上の若者が「投票してみたい政党がある」と回答。
政治への関心が決して低いわけではないことが明らかになりました。
「投票してみたい政党がある」と答えた56.9%の若者は、
- 「SNSで政党の活動を見て、意外と身近に感じた」
- 「ニュースやTikTokでよく見かけるから」
- 「親が話しているのを聞いて興味を持った」
など、SNSや動画で視聴したことがきっかけで、気になる政党があると回答する傾向が目立ちました。
また、
- 「自分たちの未来に関係しているから、ちゃんと考えたい」
- 「バイト代の壁を変えようとしているのを聞いて、興味を持った」
- 「消費税の話とか、自分たちに関係あることをしてくれる党を応援したい」
といった、生活に直結する政策(バイト、学費、消費税など)が入口となり政治に関心を持つきっかけになっていたようです。
- 「学校で政治を勉強したから、投票してみたい党を選びたくなった」
- 「親が政治を話しているのを聞いて興味を持った」
など、親や先生からの影響も一定数存在したようで、「ある」と答えた若者たちからは、自分の生活や未来と政治がつながっていると感じている様子が伺えました。
一方で、「投票したい政党がない」と回答した43.1%の若者からは、「よく知らない」「信用できない」など、政治への距離感が感じられる回答が目立つ結果に。
- 「どの党もよくわからないし、関心を持てない」
- 「政治に興味がなくて、何を選んでいいかわからない」
- 「どの政党も同じに見えて、決められない」
- 「どうせ投票しても変わらないと思うから」
- 「若者の意見を本気で聞いてくれる政党はないと思う」
- 「政治家には『結局は自分!』みたいな偏見があるから」
といった、政治不信の声も多く、若くして政治に対して“諦めの感情”を抱く残念な傾向も見受けられました。
また、
- 「政治は大人の世界って感じがして、自分には関係ないと思う」
- 「授業で習っても難しくてわからなかった」
など、政治を学ぶも難しく、その結果無関心になっていったという声も。
さらに、現役高校生からは、
- 「まだ勉強してないから」
- 「政治について詳しく学ぶ機会がないから」
- 「政治の仕組みを理解できてないから」
といった、“政治を学ぶ環境がない”といった意見も。
そのため、安易に「投票したい」と考えることができず、「ない」と回答することになったようです。
全国の15歳~20歳の若者に最も支持をされていたのは「参政党」という結果に!

ワカモノリサーチでは「投票してみたい政党がある」と回答した全国の15歳~20歳の若者に、
あなたならどの党に投票しますか?
というアンケート調査も実施。
こちらも選挙権のない若者には「もしも選挙権があったら」という仮定で答えてもらい、その結果をランキングにしたところ、栄えある第1位に「参政党」(24.3%)が選ばれたということです。
若者から支持をされた理由を見ていくと、
- 「外国人から日本を守ってくれそう」
- 「SNSで見た時に一番日本のことを考えていると感じた」
- 「外国人優遇をやめる政策に賛成だから」
- 「移民反対の政策を掲げていて共感できた」
など、「日本人ファースト」や「移民反対」などの強いメッセージが刺さり、参政党に興味を持つ若者が多かったようです。
- 「最近注目されていて勢いがあるから」
- 「波に乗ってるから」
- 「今勝ってるから」
- 「エネルギーがすごそう」
といった、“いま最も旬である”という意見も。
流行に敏感な若者も多く、そんな流行り感覚も相まって推される結果となりました。
- 「みんなネットでいいって言ってるから」
- 「友達が推していたから」
- 「親が良いって話してた」
など、家族・友人・SNSなどの影響で参政党に興味を持つ声も目立ったようです。
続いて、第2位には「国民民主党」(23.7%)がランクイン。
1位の参政党とは僅差ということで、どちらが1位になってもおかしくない結果ではありました。
そんな国民民主党に投票したいと考えた若者からは、
- 「103万の壁を変えてくれたから」
- 「賃金関係の公約が多く、将来の自分に直結する」
- 「アルバイトのことを考えてくれているから」
- 「若者寄りの政策をしてくれそうだから」
- 「自分の望む社会と似たような政策をとっているため」
など、生活に直結の政策が支持をされていたようです。
若者にとって、学費やアルバイト代などの問題は気になること。
その分野にメスを入れている国民民主党での信頼の厚さを伺えました。
そんな政策に関して、
- 「現実的で無理のない政策を掲げているから」
- 「身近な問題を取り上げているから」
- 「国民の意見を一番反映できそうな政策だから」
- 「国民の声を最も聞いていると思うから」
といった声も。
各党、様々な政策を掲げる中「それって本当に実現するの?」と感じる政策を見る機会もあるという若者。
そんな中、国民の声を吸い上げ、最も現実的な政策を掲げているイメージが強く、それが「投票をしたい」という回答に結び付いたようです。
党の代表、玉木雄一郎氏についてコメントする若者も多く、
- 「玉木さんが何かを変えてくれそうだから」
- 「玉木人気が高まって期待しているから」
- 「玉木さんが好きだから」
- 「玉木さんのお顔がイケメンでかっこいいから」
など、玉木代表への信頼感や人気が国民民主党の支持へと直結している傾向もありました。
第3位には、「れいわ新選組」(16.2%)がランクイン。
SNSなどの影響力を背景にTOP3入りを果たしました。
- 「SNSでよく見かけるから気になっていた」
- 「YouTubeで演説を見てわかりやすかった」
- 「TikTokで山本太郎さんを見て興味を持った」
といった声も多く集まり、SNSの使い方は政党の中でもトップクラスであることは間違えないようです。
また、
- 「積極的に変えてくれそうだから」
- 「面白そうだから」
- 「政策が他より夢がある」
など、他党に比べてインパクトのある政策が多いことも支持の背景に。
特に、
- 「消費税下げてくれそう」
- 「消費税廃止を目指しているから」
- 「消費税がなくなれば助かる」
といった消費税ゼロ政策には共感する若者が一定数いたようです。
そんな中、特に目立ったのが、
- 「若者に政治に興味をもってもらうための取り組みをしてるから」
- 「若者のことを考えてくれそう」
- 「学生の気持ちをわかってるから」
- 「若者向けの政治に取り組んでいそう」
などの意見。
若者のために汗をかいているというイメージもあるようで、それが支持へとつながっているそうです。
第4位にランクインしたのが自由民主党(14.1%)。
特に現役高校生から、
- 「今まで政権を担ってきた安心感がある」
- 「安定しているイメージがある」
- 「一番有名だから」
- 「なんだかんだでしっかりしてそう」
など、抜群の知名度と安定感を理由に支持をする声が目立ちました。
一方で、「どこがやっても変わらない」と政治にネガティブな印象がある若者からは、
- 「自民党が一番無難だから」
- 「変わって変な方向に行くぐらいなら今と同じでいいから」
- 「結局1番ましだと思うから」
- 「偉い人が一番いるのが自民党だと思うから」
など、変化を求めず、無難な路線を強調する結果、「自民党」と回答する傾向もあったようです。
第5位には「チームみらい」(6.3%)。
今年の参院選で初議席を獲得した新党がTOP5入りとなりました。
若者からは、
- 「未来を考えてくれそうだから」
- 「未来を変えたいと思った」
- 「未来へ突き進みそう」
- 「いい未来になりそうだから」
など、政党名に入っている“未来”に反応する声が。
未来ある若者には刺さるネーミングだということがわかりました。
- 「デジタル化が進んでいて効率的」
- 「AIとかスマート社会にロマンあるから」
- 「新しくて最先端な感じがする」
- 「新しい!ほんとに良くしたいんやなって感じる」
といった、“最先端”を推す意見も。
「政治は高齢者向けの政策が多い」と感じる若者は多く、その結果、投票がいまだに紙だったり、国会でリモートが普及していないなどのことに対し「古い」と感じているそう。
そんな古い体質が全く感じられない「チームみらい」に未来を託したいと感じ、支持をしているようです。
野党第一党「立憲民主党」は6.2%も「国民民主党」と勘違いしている若者も

TOP5以降の投票したい政党について見ていくと、野党第一党の「立憲民主党」が6.2%という結果に。
- 「野党第一党だから」
- 「反自民の意味で」
- 「自民党でないとするとやっぱここかと思う」
など、与党・自民党への対抗軸としての選択肢として選ぶ若者が多かったようです。
- 「親から結構話を聞いた」
- 「学校で習った」
など、近しい人からの影響で支持する声もあったそうです。
一方で、
- 「玉木さんが好きだから」
- 「あっちゃん(中田敦彦)のYouTubeでの対談を見て気になった」
など、国民民主党だと勘違いをして立憲民主党を推している意見も一定数いる結果となりました。
今回の調査で1位の「参政党」と2位の「国民民主党」の差はごくわずか。
勘違いで立憲民主党と回答した若者を仮に国民民主党に回答したとすると、1位と2位が逆転する結果に。
立憲民主党も国民民主党も、若者にとってはわかりやすく区別できる政党名が必要になってくるのかもしれません。
「公明党」(2.7%)を選んだ若者からは、
- 「家族が応援しているから」
- 「親が必ず投票しているから」
- 「親の影響」
- 「家系が公明党を推しているから」
といった家族の影響が圧倒的となりました。
近年、SNSでも活発に活動をしていますが、SNSに対しての意見は皆無。
まだ、若者には届いていないようでした。
「日本維新の会」(2.3%)を選んだ若者。
- 「学校に行く時の駅でよく見るから」
- 「大阪で頑張っているイメージがある」
- 「改革をしようとしている」
大阪での知名度と改革路線を推す声が多かったようです。
「日本保守党」(2.2%)を選んだ若者からは、
- 「日本を第1に考えてそうだから」
- 「意外にここが一番日本人ファーストかも」
- 「名前のとおり日本を保守してくれそうだから」
と、今の日本の現状を一番理解して行動をしているように見えていたようです。
「日本共産党」(1.5%)を推す若者からは、
- 「歴史的に有名だから」
- 「昔からしっかり主張しているから」
- 「親が投票していた」
など、歴史的な知名度と親世代の影響などの声があったようです。
「社会民主党」(0.5%)と回答した若者からは、
- 「少数派を大事にしているから」
- 「他と違う視点があるように見える」
といった、独自性や少数派重視で共感されていたそうです。
令和の若者にはSNSの発信力と日常に直結する政党が人気
1894名の調査結果とあり、ライトな考え方の若者から熱量のこもった若者の意見まで幅広い考えや価値観が寄せられましたが、総じて、若者にとって
- 「SNSでの露出」
- 「生活に直結する政策」
- 「家族や友人の影響」
が大きな投票動機となっていることは間違いないようです。
1位の「参政党」や3位の「れいわ新選組」のように、SNSを活用して強いメッセージを発信する政党は若者の関心を大きく集める結果に。
また、2位の「国民民主党」のように“アルバイト”や“103万円の壁”といった日常生活に直結する政策を打ち出す党も人気となりました。
一方で「投票したい政党がない」と答えた若者には、知識不足や政治不信が見られ、今後の政治教育や情報発信のあり方に課題があることも判明。
今回、選挙権にない若者にも回答をしてもらいましたが、そんな若者が数年後に有権者となったとき、日本の政治はどう変わっていくのか。
今回の調査は、その未来を映し出す大切な兆しとなるかもしれません。
(調査・文/ワカモノリサーチ)
調査期間 2025.8.22〜2025.9.6
調査機関 株式会社ワカモノリサーチ
調査対象 全国の15歳~20歳の若者(男女)
有効回答数 1894名
調査方法 インターネットリサーチ