「暑い中、建築現場で働く人はたいへんそうだなぁ」
そのように思った経験がある人は少なくないことでしょう。
近年ではファン付きのベストなどを着用している人もいますが、それでも真夏日の屋外で働くのは命がけです。
そんな建築現場で働く人について令和の女子高生はどのようなイメージがあるのでしょうか。
“とび職”に惹かれる女子高生「一生懸命でカッコいい」

放課後NEWSでは全国の現役女子高生を対象に
建築関係で働く“鳶職(とび職)”の人を一度でも“カッコいいな”と感じたことはありますか?
というアンケート調査を実施しました。
すると、30.3%の女子高生が「感じたことがある」と回答。
約3人に1人は、なにかしらでとび職の人に惹かれたことがあるという結果になったそうです。
そんな中、最も意見として寄せられたのが、
- 「一生懸命働いていてすごいと思ったから」
- 「汗を流しながら一生懸命仕事している姿がかっこいい」
- 「暑い中一生懸命働いている姿は尊敬でしかない」
などの“一生懸命”というワード。
世の中には様々な職業がありますが、とび職は他の職業とは違い、“リアル職場”を目の当たりにできるのが特徴。
そのため、過酷な環境の中で必死に働く姿を見ることで、心が動かされる女子高生もいるようです。
さらに、
- 「危険な仕事だと思うから」
- 「生死に関わる仕事なのにそれでも頑張ってやっているから」
- 「命を落とすかもしれないのにすごいなと思ったから」
といった“命がけの仕事”ということにカッコ良さを感じる女子高生も。
デスクワークや会社務めでは生死と隣り合わせにはなりません。
“一歩踏み外せば命を落とすかもしれない”そんな危険な仕事に果敢に挑んでいるとび職の方々に、胸躍らされるのかもしれません。
他にも、
- 「自分には出来ない事だから」
- 「建築美が素晴らしいと感じたから」
- 「専門職でその人にしかできないから」
など“とび職の技術”に惹かれる女子高生も。
何もないところから家やビルを建てることができることに対しリスペクトを持っているようで、実際に自宅の建て替えでそのすごさを体感した女子高生は「惚れ惚れした」と回答もしていました。
女子高生らしくビジュアル面で「カッコいい」という声も。
- 「イケメンが多いイメージだから」
- 「強そうだから」
- 「筋肉がありそうだから」
- 「男らしいから」
- 「腕まくりがかっこいい」
- 「光る汗に萌える」
- 「重いものを持っているときの表情がヤバい」
など、様々な意見が寄せられており、総じて“男らしくて体が仕上がっている”男性のタイプが好きな女子高生は、とび職に惹かれることも分かりました。
『3割の女子高生はなぜとび職をカッコいいと思うのか』
この件に関して、“7000組以上の接客経験と1500人以上のコンサル経験”がある設計事務所「株式会社Amigo」のCEO・小池純氏にお話を伺いました。
「株式会社Amigo」のCEO・小池純氏のSNS
YouTube https://x.gd/W7wnm
HP https://www.osak.info/
小池氏は、
「(女子高生の世代と)近い年齢にも関わらず社会人として働いており、お金を稼いでいる事への憧れがカッコいいに繋がるのでは」
と説明。
続けて、
「とび職は高所での作業や足場の設置などで鍛えられた肉体美も魅力的。加えて危険な仕事をしている男性に対して女性は大昔に狩りをしていた男性への進化心理学の知見があるともされています」
とその理由を語っていたそうです。
また、小池氏に「とび職の人はどのような女性とお付き合いをしているのか?」という質問をしたところ、
「一昔前は、中学校や高校の同級生や地元の友達と付き合う事が多かったのですが、近年は出会い系アプリなどで普通の若者と同じように出会い、様々なタイプの女性と付き合う事が多くなった印象です」
とコメント。
また、「肉体美や若くして資本力があり『今が楽しい』と言う事に重要視した女性と付き合う事が多い」と、とび職の恋愛事情を話していました。
“とび職”をカッコいいと思わない7割の女子高生「ヤンキーだから」の声が多数
一方、「“鳶職(とび職)”の人を“カッコいいな”と感じたことがない」69.7%の女子高生から圧倒的に多かった声が、「ヤンキーだから」という意見。
- 「とび職はヤンキーのイメージしかない」
- 「ヤンキーだしチャラいからムリ」
- 「現場を見るとヤンキーが多いから」
などとび職の人の見た目や雰囲気がヤンキーに感じてしまうのだそう。
また、「令和の雰囲気じゃない」という意見も。
“ヤンキー=昭和や平成初期”に存在した人種というイメージもあるのか、ヤンキーの雰囲気を醸し出していると見た目も中身も“時代遅れ”と感じている女子高生も一定数いたようです。
近年、K-POPのアイドルや王子様系の男性アイドルなどが人気の中、やさしく包み込んでくれるような男性を求める女性が多くなりました。
しかし、とび職はいわゆる“オラオラ系男子”の方に分類されている可能性が高く、そのような男子に好意を抱く女子高生がマイノリティーな時代となったためカッコいいと思われなくなったのかもしれません。
そんな“ヤンキー”のイメージが強いことについて前出の小池氏は、
「確かにイメージはヤンキーですが、現状としてはヤンキー気質の人間は減っている印象です」
と説明していました。
「理系の人が働いている事は少ないですが、専門学校などで学んだ真面目な人がとび職についている事も多くなりました。更には真面目な外国人も働く事が多くなったことによりオラオラしているだけでは、それらの人に負けてしまうので昔ほどヤンキー気質は少なくなった」
ということです。
とび職をカッコいいと思わない理由として、
- 「作業着がダサいから」
- 「トラックで昼寝している姿が苦手」
- 「普段着がダサそう」
といったビジュアル面で苦手だという意見も多く寄せられたそうです。
“リアル職場”を目の当たりにできるのが特徴であるので、それをプラスに感じられる女子高生には「一生懸命でカッコいい」という回答になるのでしょうが、マイナスに感じてしまう女子高生にはその仕事姿を見て「カッコ悪い」と感じてしまう傾向にありました。
ビジュアル面についても前出の小池氏は、
「野外で仕事をしているため、日焼けしてしまう。髪が傷んでしまう。さらに接客業ではないので髭や肌のメンテナンスを怠る。このような事から遊んでいるように見える」
と話しており、とび職ならではの原因があるということです。
他には、「学歴がなさそう」と回答する女子高生もかなり目立つ傾向にあったようです。
見た目の問題と低学歴イメージの問題から「カッコいい」と思わない女子高生が多い結果となりました。
ただ、建築技術を学ぶには一定程度の試験もあったりします。
“ヤンキー”に見られるビジュアルやファッションを変えて、建築現場で働く敷居の高さを世間にアピールすることができたら、今後、もっと「カッコいい」と感じる女子高生は増えるかもしれません。
(調査・文/放課後NEWS)
調査期間 2025.6.17〜2025.7.2
調査機関 株式会社ワカモノリサーチ
調査対象 全国の現役女子高生
有効回答数 284名
調査方法 インターネットリサーチ